05/14
ウンモンスズメ

鳥の話ではありません。
虫の話です。
(虫嫌いさん注意)

先日、朝から素敵な蛾に出会いました。

日本には3,500種類程度のチョウとガ(いわゆるチョウ目)がいますが、
この色彩のものは殆どいないと思います。

ちなみに分類学的にはチョウとガは識別できないはずです。
見た目である程度チョウとガを識別しているのですが、いわゆるチョウという名の付いたものは250種程度と言われているので、残りはガということになります。

これです(2014年5月2日撮影 東京都西多摩郡日の出町 協同乳業㈱駐車場にて)。
20140514.JPG

ウンモンスズメ(雲紋雀)です。
この緑ベースの躰、凄いでしょ?
この見事な緑色とうすい緑色(ウグイス色?)の濃淡で描かれた翅の模様!
(これが雲模様に見えるのでしょうか?)
緑のふかふか高級絨毯のような胴体!
そしてステルス戦闘機のようなこの形態!
芸術品です。
残念ながら、死んだらこの体色が失われるので、
標本では見ることができない色彩です。

何故、スズメという名が付いているのか?
それはスズメガ科だからです。
過去にこのブログで紹介したホシホウジャク(星蜂雀)
(参照ブログ:ホシホウジャク)もスズメガ科です。
体型が似ているでしょ。

【捕獲時満足感:9】(10点満点)
捕獲するというより眺めているのが好き。なかなか探しても成虫は見つかるものではないが、街灯近くでは不意に(電車に乗るため走っている朝など)見つかることもあり減点した。

03/06
啓蟄(2014年)―恐怖の寄生バエで祝いましょう―

虫好きの皆さん、おめでとうございます!
本年も啓蟄がやってきました。
まだ寒いですが、ボチボチ虫の季節がやってきます。

毎年、この日は比較的マイナーな虫を紹介しておりますが、
今年はヤドリバエの一種、おそらくセスジナガハリバエを紹介します。

20140306.png

見慣れないハエでしょ?
体調1cm位です。
こういうのは興味を持っていない人には見えない虫なのです。
ハリバエという名の通り、針状の毛が沢山あります。

ヤドリバエは宿りバエと書くと思います。
すなわち、「体に宿る」=「寄生する」ハエ、寄生バエの仲間です。
蛾や蝶の幼虫に寄生する種類が多いです。

ヤドリバエの寄生とは?
ヒトにおける回虫のように共存というケースは殆どありません。
寄生バエの成虫は、蝶や蛾の卵や幼虫(宿主)に卵を産み付けます。
その幼虫は、蝶や蛾の幼虫の体内で栄養を吸収し成長します。
順調に成長すると(多くは蛹の時代)、宿主を食い尽くして体外に出てきます。
宿主は死んでしまいます。

まるでホラー映画のようですが、
実際はホラー映画がヤドリバエをモデルにしているのでしょう。

ということで、今年も虫眼で発見した虫達を紹介していきます。

11/12
エンマ様の顔と裏

タイトルからは虫関係とわからない方がいると思いますので警告です。
これは久しぶりの虫ブログで、どアップ写真が出てきます。
虫嫌いの方は、至急退出願います。
特に春日野部屋のマネージャーさんは(笑)

関東でも木枯らし1号が吹いたようですね。
何故、「初木枯らし」ではなく、「木枯らし1号」なのか私にとっては謎なのですが、
急激に寒くなっております。
その木枯らし1号が吹く直前の畑で、
動きが鈍くなっているエンマコオロギを捕獲しました。

先日、扁平な顔のオカメコオロギを紹介しましたが(9/19 ハラオカメコオロギ来所です)、
エンマコオロギの頭部は全く異なり丸みがあります。

そもそもエンマという名前の由来は閻魔様で、
この顔が由来と言われています。
他の説として、他の種に比べ体が大きいからという説も読んだことありますが、
顔由来説が有力です。
201311121.png
複眼の周囲が黒い模様で(サングラスのようにも見える)、
その上側に白褐色の帯状の模様があります。
これが閻魔大王の怒り顔の眉のように見えることから命名されたそうです。

面白いことに、学名にもエンマが付きます。
Teleogryllus emma
これが学名で、コオロギ属エンマ種という表記です。

たまには昆虫の裏側も見てみましょう。
虫嫌いの方は少々気持ち悪いと感じるでしょうが、我慢して下さい。
201311122.JPG
非常に精巧な構造をしており、これも進化の賜物としか表現できません。
この立派な後脚。
脚の先のトゲ。
精密機械のようです。
ん~、美しい。
来年は虫の裏側シリーズ立ち上げようかな。

10/24
ササグモ

先日、オンブバッタ牧場としてシソを紹介しました(参照ブログ:オンブバッタ牧場)。

そのシソも秋になると花を咲かせます(これは10月前半の写真です)。
シソの花は居酒屋で刺身を食べると時々付いてくる薬味でお馴染みですよね。
わからない方は写真を見て下さい。
2013102401.JPG


地味なのですがこの花には、ハエ、アブ、ハチの仲間がたくさん寄って来ます。

『小昆虫集まるところに、それを食する虫あり』

観察すると・・・いました! 体長1 cm位のクモです。
2013102402.png

ササグモです。
通常のササグモより体色が黄色いので少々不安ですが、
以下に示すササグモの特徴を有しています。
1. 独特の腹部背面の模様
2. 足のトゲ(立派なのがたくさんあるでしょう?)
3. 円状に並んだ眼(8つあります)

よく見ると(よく見なくてもですが)、アブの様な虫を捕獲しているのがわかると思います。
徘徊性のクモで、動きも似ているのでハエトリグモの仲間と間違える人が多いです。
簡単な見分け方としては、目の並びが違います。
ハエトリグモは4つの大きな目(特に中心の2つが大きい)が横に直線状に並んでいます。
ちなみに残り4つの眼は背面側にあり、おそらく上から来る敵を発見するのに役立っていると思われます。

せっかくなので横からのショットもどうぞ。
2013102403.png
この角度から見るとガッチリ獲物に噛みついているのがわかると思います。
徘徊性のクモは捕獲に糸を使わず。専ら噛みつき攻撃です。

この個体はこの場所が気に入ったみたいで、暫くこの場所にいました。
歩いた跡の糸(徘徊性のクモは落下しないように糸を出しながら歩く)が周囲にあることからも、この場所の周辺を繰り返し徘徊していることがわかります。

【捕獲時満足度】なし。私はクモは殆ど捕獲しません。ただ、徘徊性のクモが獲物を捕まえる瞬間を見ることができると満足度8(10点満点)位です。

10/07
死を待つハラビロカマキリ

畑は完全に夏・秋野菜から、冬野菜へと作物を変換しました。
最後に残っていたのはナスとピーマン。

ピーマンにはハラビロカマキリの卵が産みつけられていました。
正確には卵嚢といいます。

初めは気付かなかったのですが、すぐ近くに、この卵を産んだと思われるメスのハラビロカマキリが!!!
20131007.JPG

産んだ卵を守っているように見えます。
とはいえ、基本的には産卵後死ぬ生物です。
卵を守る行動など聞いたこともありません。
たまたまでしょう。

触ってみると、もう全然力が無く、
自分の務めを果たして、死を待つのみという状態でした。

カマキリには悪いですが、ピーマンは抜かねばなりません。
堆肥にするのはかわいそうなので、卵嚢は自宅に持って帰りました。
親は、日当たりの良い場所に置いておきました。

カマキリで秋を感じる・・・。
毎年のことです。

09/19
ハラオカメコオロギ来所です

秋になりましたね。
3週間、殆ど外出して職場に来ていなかったためか、
昨日、久しぶりに落ち着いて1日研究所で過ごしたら、
様々な所で秋の訪れを感じることができました。

研究所の玄関には、ハラオカメコオロギが遊びに来ていました。

20130919.JPG
何故か、最初のハラを略して、オカメコオロギって呼ぶことが多いです。
しかし、オカメコオロギは複数種存在するので、
ハラオカメコオロギと正確に覚えた方が良いと思います。
我々が平地に見る殆どのオカメコオロギはこのハラオカメです。

頭部が特徴的で(特にオス、因みに、この個体はオス)、
顔面が平らで絶壁、横から見ると逆三角形の形をしています。
おでこが前に突出し、顎が手前に引っ込んでいる、
しかも、おでこと顎を結ぶ線は扁平と表現すれば良いでしょうか?

なかなかコオロギの横顔をじっくりと観察する人はいませんので、
皆さんのために、頑張ってそれがわかる写真を撮ってあげました!

日本全国何処でも見られる普通種なので珍しくないですが、
このブログでも何度か紹介したことがある
エンマコオロギ(参照ブログ:怖そうなコオロギ)と比べると、格段に知名度が低いと思います。

鳴き声は、私には、
「Rdiッ、Rdiッ、Rdiッ、Rdiッ、Rdiッ。(ちょっと休んで繰り返し)」
と聴こえます。

「リッ」と「ジッ」の間の音ってことです。
「リッ」:「ジッ」=7:3で混ざっています。
あくまでも個人の感覚です。

【捕獲時満足度】3(10点満点) 普通にその辺にいますから。しかも捕獲するのは簡単ですから。鳴いている姿を見ることができると、少しうれしいですね。

09/02
放置飼育(キアゲハ)

チョウの幼虫は偏食で大食漢なので、
捕獲して飼育するより、餌となる植物に放置して観察するに限る。

アゲハチョウやクロアゲハのように、

柑橘類の大きな木に棲む種類なら見失うこともあるが、
キアゲハはセリ科の植物を好むので、
ニンジンやパセリに産み付けられた卵はその植物体で生育し、
見失うリスクは少ない。

自宅のパセリに発見したキアゲハが成虫になった。
朝、玄関をドアを開けると私に驚いたのかバタバタ羽ばたきだした。
2013090201.JPG

しかし飛べない。
羽化して間もない時だったようである。
まだ蛹に掴まっていた
キアゲハの上方に蛹の抜け殻があるのにお気付きであろうが、
ちゃんと見たい方のためにアップ写真を提示しよう。
2013090202.JPG


ちょっと落ち着いたところを撮影。

2013090203.JPG

綺麗である!

単純に進化論と言われても納得できない「模様」と「色使い」。
そして翅の形も飛翔の効率性を追及したとは言い切れない、
飾りの様な尾状突起(後翅の後部にあるでっぱり)。
チョウの美しさを楽しむには羽化した直後に限る。

ちなみにこの1個体に食べ尽くされたパセリはこれである。
2013090204.JPG

蛹期間中に少し芽が出てきたが、ほぼ壊滅状態。
殆どの個体はこれだけ食餌を与えても、
いつの間にか羽化して去って行く恩知らずであるが、
成虫になった姿を見せてくれるとは、なかなか親孝行なやつであった。
おかげで遅刻しそうになったが...。

08/19
穴の中の生物⑥ ―観察編―

さて、苦労して捕獲したトウキョウヒメハンミョウの幼虫を観察せねばならない。

まずは、真上からの写真をどうぞ。
2013062801.png


恐ろしいのか、コミカルなのか、コメントし難い姿である。

まずは、頭部。
成虫と同じように硬く強靭で、大きな大顎(牙)が目立つ。
眼も大きい。
この発達した眼で、獲物を発見し、私のような外敵が現れた際は、
すぐに発見し巣内に潜り込むのであろう。

通常、この頭部と胸部の一部で巣穴に蓋をするような状態で獲物を待ち構えており、
アリ等が近づいた瞬間に大顎で噛みつき、地中に引きずり込み食すのである。
待ち構える様子はこのシリーズの①を参照。
参照ブログ:穴の中の生物①

それに比べて腹部の貧弱さは目を疑う程である。
消化管丸見え無防備さ。
頭部でアリを生け捕りにするが、
もし、この姿でウロウロしていたら逆にアリの餌食になるであろう。
動きも「よちよち」という感じで決して上手に歩いているとは言えない。

そのため、引きずり出されてはならない。
また、獲物を捕獲した際に穴の中に引きずり込まなくてはならない。
そのために、この腹部には凄い仕組みがある。
2013062802.png

背中に突起があるのがわかるだろうか?
これをフックのように巣内に引っ掛けて、体が外に引っ張り出されないようにしている。
また、穴の中へ獲物を引き込む際は、これを上手く使って下方に移動するのである。

ちなみに、獲物を捕獲する際は、
背中のフックを巣穴に引っ掛けて、後ろ側に反るような動きで大顎にて獲物を挟み、
頭を戻しながら巣内に引きずり込むのである。

プロレスでいうジャーマンスープレックス(投げっぱなし)を
巻き戻し再生するような動作で引きずり込むのである。

凄い進化である!

と、6回に渡って紹介してきたが本日にて本長編ブログは終わる。
疲れた。

【捕獲時満足度】10(10点満点) 説明する必要ないでしょう。


08/16
穴の中の生物⑤ ―成功編―

前回のブログで書いた疑似餌作戦を実行してみた。

書いた通り、少し離れた位置から、疑似アリを巣の周囲に落とし、
地面を引きずりながら巣の周囲を動かしてみた。

\(◎o◎)/!
驚いたことに、ハンミョウの幼虫が疑似餌に飛びついてくるように頭を跳ね上げてくるではないか!
次の瞬間、疑似餌はキャッチされ巣内に引きずり込まれた。
次の瞬間に私は引っ張り上げた。
ハンミョウが反応してから捕獲までおそらく1.5秒前後。

(@д@;)//
釣り上げた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
20130627.JPG

別の巣でも、別の巣でも成功。
2年間、全く釣れなかったのに、10分間で3頭もゲット。
本気獲りしたら、100頭でも200頭でも釣り上げる自信あり。
ハンミョウ釣り選手権があれば金メダル候補一番手ではないであろうか?

考え抜いた作戦での成功。
ビビる程の巨大な達成感であった。

このブログ、ハンミョウファンのバイブルになるに違いない。

まだ、つづく

08/15
穴の中の生物④ ―ひらめき編―

ハンミョウ幼虫釣りに失敗して2年が経過。
軽く100回以上は失敗している。
しかし諦めてはいけないのが研究者である。
2012年の秋もたくさんの穴が発生した。
ただ、もう同じ作戦、すなわち、
枯草を巣穴に突っ込み、その枯草を幼虫がどけようと押し出される瞬間に釣り出す方法
を実行するつもりはなかった。

ちなみに100回以上の失敗はただの繰り返しではなく、
枯草の長さや太さ、穴への突っ込み方、タイミング、植物種、さらには生草等の検討も含まれる。

幼虫が枯草を持ち上げる行為は、住処に突っ込まれた枯草が邪魔で幼虫が巣から追い出す行為と推測される。
すなわち、よく考えると、
幼虫は枯草を巣穴から出したいわけで、その枯草を引き抜いたところで、
幼虫にとってはラッキーなことで枯草を噛み続けている必要がない。
一緒に引き上げられる可能性は当然低いはずである。

発想の転換が重要である。

この「枯草法」がダメな理由は以下の4点と分析した。
① 枯草にきっちり喰い付いていない可能性が高い。つまり巣の中から邪魔な枯草を頭を使って押し出しているだけの可能性が高い。
② そもそも枯草は脆く、きっちりハンミョウの幼虫が噛みつくことができないかもしれない。
③ 枯草が動いて地表付近に出て来た瞬間に手で枯草を引き上げていたが、おそらくハンミョウの視界に手が入った瞬間に、ずば抜けた反射神経ですぐに巣内に潜っている。
④ 枯草法を応用した「枯草シャベル法」は、掘るために巣に相当近づかねばならず、これまたハンミョウの幼虫視界に入ってしまう。

上の問題を見事に解決するため、私がとった作戦を以下に示す。
① 積極的に噛みつかせる方法にすべきで、疑似餌が良いはずである。
② 牙で挟みやすく(喰い付きやすく)するために、糸で作る。
③ しかも、メインの獲物であるアリに似せるため黒い糸を使い大きさをアリサイズにする。
④ 釣竿のようにして、私が1m程離れた所から疑似餌を扱い視界に入らないようにする。
⑤ 振動を感じているとすると真上から疑似餌を垂らすのは不自然なので、巣の周囲に疑似餌を落とし、アリの様な動きで巣の真上まで疑似餌を引きずる。

さて、完成したハンミョウ幼虫捕獲道具はこれである。
2013062601.JPG

疑似餌の部分のアップはこれである。胸部と腹部間のくびれも再現した。
2013062602.JPG


作製に要した時間、約10分間。

謎の自信があった。

つづく
次はクライマックスだ!

           
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