カレンダー

カテゴリー

最新のエントリー

 

アーカイブ

2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年

検索

LKM512
メイトー
協同乳業研究所

06/27
カラスアゲハ

優雅に飛んでいる黒いアゲハがいたので撮影した。
優雅というのは、飛翔スピードが遅い(羽ばたき数が少ない)という意味である。

160627.JPG

黒い大きな蝶なのでクロアゲハと片づけたくなるが、
国内には、他に黒いアゲハは何種類も存在する。
クロアゲハの他に、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、ジャコウアゲハ、オナガアゲハ...。

発見場所や環境で、ある程度、種を絞ることは可能である。
黒く進化しているだけあり、山間部を主たる棲息場所としている種が多い。

この個体はほぼ間違いなくカラスアゲハのメスである。
緑や青に輝く模様は、カラスアゲハかミヤマカラスアゲハの特徴である。
前翅の外縁の淡い白帯(白っぽく反射しているように見える箇所)が、
前縁に向かうほど幅が広がるっているのでミヤマカラスアゲハではないと判断した。
尾の方に赤い模様があるのはカラスアゲハの場合、メスの特徴である。

個体差が大きいが、もっと青緑色が強く鮮やかで、見とれる位に美しい個体も多い。
また、見る角度により輝き方も異なる。

山間部を好み市街地には少ない種なので(幼虫の食草が市街地に少ない)、
都市部在住の昆虫に興味がない方は本種を見たことが無い方も多いであろう。

【捕獲時満足度】8(10年満点)
市街地ではあまりお目にかかれない貴重さがあり、且つ美しいので高得点。飛び方が優雅(=遅い)であるため、発見時に花に夢中であれば、普通の運動神経の持ち主なら簡単に補虫網で捕獲できる。

06/03
遺伝子配列に頼り過ぎ?

久しぶりに本ブログで昆虫を取り上げようと書き始めたが、中断した。
いや、中断せざるを得なかった。

これまでも、昆虫を紹介する時は、その種名も紹介してきた。
しかし、今回の昆虫は種名に確信を持てないのである。
基本、飼育は好きだが分類は苦手なタイプ。
もちろん、未知の昆虫は沢山存在するので、
そういう類の昆虫の紹介なら多少曖昧でも問題ない。
しかしながら、今回はメジャーなチョウである。
この種かあの種というのはわかるのだが、そこがわからない。

最近の細菌学では(ダジャレではない)、こういう時、躊躇なく遺伝子で調べる。
大した労力もお金もかからないので、その方が楽で正確で賢明ある。
おそらく、直近の10年間に細菌学の世界に入った若い研究者は、
形態的特徴や生化学的特徴を調べるより先に、
遺伝子配列で菌種を同定するという手段を十中八九選択するであろう。
実際、我々もウンコ菌叢を調べるのに遺伝子配列を読みまくる仕事もしている。

そういう仕事をやりながらも、
私は、コロニー(培地の上に生えた菌の固まり)観察や顕微鏡観察から
細菌学と触れていったタイプなので、
正直、遺伝子配列至上主義には多少の違和感を持っている。

そんな私でも、このチョウの種の判定に関しては、
遺伝子配列で確認したいという欲求が強い。
私自身が遺伝子配列に頼ることに、どうやら慣れてしまっているようである。
自分で驚いた。

もちろん、それは無理なことである。
現物個体(チョウ)がないから、遺伝子を得られない・・・。

従って、昔ながらの形態学的手法で図鑑等を使って種を決定するしかない。
種がわかるまでは、本ブログにその昆虫は登場しない(悲)。

04/28
グッド スプリング!

こんな挨拶があるとは思えないが、
もし冬眠から目覚めたら、こんな挨拶になるのではないかだろうか?

やっと目覚めた!
アマガエル達。

160428.JPG

まだ基本的には穴の中にいて、そっと顔を出している状態である。
右下の個体がその姿である。
外に出ようとはしない。
アマガエルが穴の中にいる姿は結構珍しいであろう。

もう1匹はミールワーム(餌)で穴から外界へ誘導した直後の写真である。
食べたらすぐに穴の中に戻って行った。

どうやら完全に寝ぼけているご様子。
5ヶ月近く寝ていたので、寝ぼけている期間も長いのであろう。

完全に目覚めたら、また、餌やりが大変なことは覚悟しておかねばならない。

何はともあれ、無事生還してくれたことと、
アマガエルの飼育下での冬眠方法がほぼ確立できたことが嬉しい。

04/26
大袈裟にいうとホラー映画の序章であり見過ごしたらアカンのです

今朝、自宅にゴキブリがいた。
4月なので、もちろん幼虫である。

ただ、虫嫌いにはゴキブリと認識することができないかもしれない。

不完全変態の昆虫なので、「恐怖の成虫」(※)から翅を除き小さくした姿で、
形態は殆ど同じである。
よく見ると、成虫同様に長い触角をユサユサしているが、
遠目で見ていると、小さな甲虫と誤解する人も多いであろう。
今朝発見した個体は6~7mmで、軽く無視するところであった。

※一般論であり、本ブログは一般論で書く。個人的には不快であるが恐怖は感じない。

幼虫における成虫との一番の差異は、足が遅い点であろう。
成虫の素早さからは想像できない位に足が遅い。
テクテクと歩いている。
表現は人それぞれであるが、私レベルになると、カワイイと感じることもできる。
手に這わせるように乗せて捕獲して、カエルの餌にしようかとも思う。
そのため、発見しても慌てる必要はない。
簡単にティッシュで包んで退治できる。

一般人にとって大切なのは、ゴキブリの幼虫と認識する眼力を持っている事であろう。
見過ごすと1~2ヶ月後には、自宅を恐怖の館に変えてしまうかもしれない。
幼虫は移動能力が低いため、たまたま放浪個体が家に入って来たとは考え難い。
つまり、自宅で孵化したと考えられ、1匹の出現は数十匹を意味する。
ゴキブリの幼虫出現はホラー映画の序章のようなものである。
主人公は、近い将来自分を襲う恐怖分子に気付いていない・・・。

03/04
啓蟄(2016年版 1日早いけど)  ―怒りのキアゲハで祝いましょ―

早いもので2016年も明日(3月5日)が啓蟄である。
啓蟄とは、冬眠していた生き物が目覚めるという意を持つ、
二十四節気の一つである。

これに合わせるかのように気温が上がり始めた。
昨晩のNHKニュースによると、冬将軍はもう見納めになる可能性が高いらしい。

今年の啓蟄は昨年ちょっかいを出して怒らせたキアゲハの写真をどうぞ!

160304.jpg

もちろん幼虫である。
鳥粉状幼虫を経て、グロテスクになったばかりの幼虫である。
現在はサナギで春を待っている個体の幼虫時代の写真である。

ツンツンと指で突くと
突かれている方向に体をぶつけてくるように角を出して威嚇してくる。
この角は、何もない状態から突如ニョキニョキっと出現するので、
知識を持っていなければ驚くことであろう。

専門用語ではこの角を肉角という。
見せかけ(視覚的防御)だけではない。
同時に臭いを放出して威嚇して来る。
これは、アゲハ類の幼虫に共通した攻撃(防御というべき?)法で、
このニオイは食べている植物がベースとなっている。
キアゲハの場合、セリ科の植物を偏食するので、
パセリの濃縮液をベースにした刺激臭とでもいえばよいか...。

ただ、臭いの質としては耐えられないものではない。
便所の芳香剤を鼻先10cmに近付けて匂った時に受ける刺激
というのが、私がこの臭いを知らない人に対してできる精一杯の表現である。
自分で確認してもらいたい。
天敵の鳥などに咥えられた時には効果を発揮することであろう。

今年は久しぶりにカマキリでも飼おうかな~

12/14
眠りにつきました

アマガエル達は飼育ケージに大量の水苔を入れて、
外気に曝した途端に冬眠に入ったようである。

外に出して二日目にのぞいたら、
水苔の中にちゃんと潜りこんでいた。
あまり冬眠中の姿を見ることはないので思わず撮影した。
151214.JPG

低温で濡れた環境下、しかも裸。
ヒトだと数時間で凍死している条件であるが、
眼を閉じて気持ちよさそうである。

変温動物おそるべし!

リスクのある飼育下でカエルの冬眠。
経験はまだ浅いが、おそらく重要と思うことを整理しておく。

①直前2週間位は多目に餌を与えある程度太らせておく。
なにしろ5ヶ月間という長丁場。冬眠中の餓死が最大のリスクである。
②寒いところに置いておく。
暖かくなれば少し活動(ちょっと移動等)します。活動はエネルギー消費を招き、そして餓死に繋がります。
③水苔が乾かないよう管理。
乾燥に弱い生き物である。夏場同様に乾燥したら死ぬので、水苔がずっと水を含んでいる必要がある。但し、冬は乾燥が遅く最初に水苔に水を十分含ませておけばリスクは少ないはず。
④底の水量の管理。
水苔が乾かないよう必要だが多過ぎると危険である。氷点下になり水が凍結する時にカエルが水に浸かっている状態だと水と一緒に凍結してしまうリスクがある。水はケージの下4~5cm位がベストではないかと考えている。

春に無事再開できることを祈っている。

11/18
何が出てくるねん?


和歌山巡業中。
紀伊半島の左側に戻ってきました!
昨晩は紀伊田辺市に宿泊。
駅周囲にコンビニは一軒もないのですが、
飲み屋はおかしい程沢山ある街です。

泊まったホテルでこんなの発見しました。

151118-1.JPG

私、ビジネスホテル経験はそれなりに豊富ですが、
殺虫剤が常備されているホテルは初めてです。

何が出てくるねん?
どんな頻度で出てくるねん?

虫好きですが、これの対象となる虫はそんなに好きではありません。
特にムカデは...

これが置いてあることによる不安感(何か出てくるのか?)
これが置いてあることによる安心感(何が出て来てもやっつけられる)
心の持ちようで揺れると思います。

結果的にはこいつが出て来ました。

151118-2.JPG

ユニットバスでシャワー中に遭遇。
2cm程度。
ノメイガの仲間ですかね?
わかりません。
知っている方がいましたら名前教えて下さい。

勿論、蛾を相手に殺虫剤を使うようなことは決してしません。
一晩一緒に過ごしました。

11/04
煮られた侵入者

無農薬で畑をやっていたら、
たくさんの昆虫達が遊びに来て棲み付きます。
迷惑ですが...
ですが、安全である証拠ではあります。

先日、無農薬の丹波黒豆のエダマメを頂きました。
間違いなく高級品でしょう。
午後10時位に帰宅したのでしんどかったのですが、
11時位から真夜中にかけて茹でました。
美味しいものを美味しく頂くためには全力を尽くすタイプの人間です。

茹で上がったものを食べていると怪しげな小さな穴を発見。

注意して豆を出してみると...

侵入者が食べた跡と、その犯人の亡骸を発見!
根に生長する部分に一体化していますが、違和感は抜群です。

151104.png

この形態から判断すると、ノメイガの仲間の幼虫でしょう。
種まで判定できませんが、間違いないと思います。

不法侵入で釜茹での刑
といったところでしょうか。

10/15
今年は確認できました 赤トンボ

昨年(2014年)は私の周囲では1匹も確認できなかった赤トンボ。
物心ついてからは初めての体験でした。
参考ブログ→「いないんです 赤トンボが

ですが、今年はいました。
(^。^;)ホッ
151015-1.JPG
赤とんぼの代表格、アキアカネです。

私が小さい時に見ていた群生状態、秋の風物詩、というには寂しい限りの個体数(数個体)ですが確認できました。
少なくとも私の住んでいる地域では希少種といえます。

小学生時代には、何十匹、何百匹とカマキリの餌に捕獲していたアキアカネ。
今、もしカマキリを飼っていたとしても、貴重で餌として与えないでしょう。

日本人の好きな童謡ランキングで必ずトップ3に入る「赤とんぼ」。
このままでは、
今の少年少女が大人になる頃には心に響かない曲になっているかもしれない
と危惧する今日この頃です。

30年前の昆虫少年より

09/30
内臓は嫌いだそうです

フタモンアシナガバチが青虫の肉団子を作っていました。
(腹部の黄色の2つの紋が種判別のポイント)
150930-1.JPG

青虫を噛み砕き肉団子にして、
巣に持ち帰ろうと飛び立つ直前です。

実は、この肉団子、高タンパク質のごちそうです。
あらゆるイモムシは筋肉の塊であると表現して間違いないと思いますが、
(触ったらわかります。絶妙のプリプリ感で筋肉の塊であることが。)
この筋肉のみを削ぎ取って団子にしているからです。

内臓はお嫌いなご様子。
決して団子には入れません。
苦いのでしょうか?

実は、この写真にも内臓はばっちり写っています。
生命の営みではありますが、ある意味、虐殺現場なのであります。

赤い丸を入れました。
150930-2.jpg

僅かに筋肉部位(明るい緑)がまだ少し残っていますが(後で取りに来る)、
濃緑色部位は全て内臓です。
器用に筋肉のみが剥ぎ取られているのが分かると思います。

マウスの腸を取り出すことが仕事柄多いですが、
脂肪組織等が周囲に付着しており、これを取り除き綺麗な腸組織にするのは、
ピンセットとはさみを使って結構大変な作業です。
アシナガバチを手なずけて、腸のクリーニングに使えないかと思う今日この頃です。

           
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16