カレンダー

カテゴリー

最新のエントリー

 

アーカイブ

2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年

検索

LKM512
メイトー
協同乳業研究所

08/31
来客(前編)

「忙しそうだけど、ブログ、いつ書いているの?」
と、よく聞かれますが、
夜に書いています。
それも全て、午後9時半以降です。
何故だかわかりませんが、
この時間帯にならないと文章が浮かんできません。

平日は実験が終わって落ち着く頃でしょうか。
研究室で1人になったら、スラスラと文章が出てきます。
リラックスして楽しんで書くことが重要なのだと思います。

日曜日の夜に2-3話位をまとめて書くことも多いです。
これは休日勤務か?


只今、日曜日の午後11時23分。
自宅のパソコン前。
窓を開け、扇風機を回して作文中。
夕立があったせいか、
少し涼しい風がカーテンを揺らしています。

「ブウォン」

カーテンの向こうに誰かいる?

「オッ!」

こんな時間に来客です。

08/27
ウンチが便りをくれる? ②

理研の辨野です。
昨日のつづきをお話しします。 

そのウンチの持ち主であった方は普段から便秘を繰り返し、
体調はよくなく、肌にぶつぶつができると言うのです。
その人にとって「便秘が2週間!」は日常茶飯事。
「えっ、ウンチって、毎日でるのですか?」
と真顔で尋ねられたのです。
驚くことに1週間以上でなくとも特に便意を感じない、別段、つらくはないというのです。

いったいどんな食生活をしているのでしょうか?
「お菓子しか食べない。あとはペットボトルのジュースかな」。
生活は不規則で、食事は決まった時間に摂らず、
ここ何年もごはん粒なぞ食べたことがないというのです。
なるほど、それでは便秘もするし、便意も感じなくなるわけだと思いました。

健康を扱うテレビ番組のおかげで、
今まで見向きもされなかった若い女性からウンチをいただける幸運に恵まれたのですが、
調べていくうちに、若い人たちの危機的な現状を知ることになったのです。

08/26
ウンチが便りをくれる?① これまでに見た「とんでもない」ウンチ

ブログ100回記念 スペシャルゲスト企画
辨野義己先生(理化学研究所知的財産戦略センター・辨野特別研究室)登場!

こんにちは。理研の辨野です。
100回記念にLKM博士からコメントを依頼されましたので、
得意のウンチの話をしたいと思います。

「便の研究をしている辨野先生にウンチを調べてもらいたい」
――最近の健康ブームにのって、
私の研究室にもマスコミの取材が頻繁に訪れるようになりました。
そこで「鼻にきた」ウンチの話をしましょう。

クール宅急便(食品と記載:中味は元食品です)で送られてきて、
厳重に包装された容器を開けたとたん、
どう形容していいかわからないほどの強烈な臭い。
研究室のみんなはのけぞり、逃げ出したほどです。
石のようにコロコロで、数層に重なり、パラパラとはがれてとれる。
しかも、そのウンチの硬いこと。なかなか崩れないのです。
今まで、日本で一番ヒトのウンチをみてきたと豪語する私でさえ、
初めて目にするウンチでした。
さらにその中身に驚かされました。
ウンチの水分含量は60%。水分が70%になると、かなりひどい便秘だといわれます。
「それが60%とは...。」
その便はたぶん、大腸壁にビターとこびりついていたのです。
その腸内細菌を調べると、
善玉菌といわれるビフィズス菌が培養できる腸内細菌のわずか0.01%以下。
悪玉菌のクロストリジウムがなんと16%もいたのです。
健康なヒトの腸内ではビフィズス菌は10~15%、
クロストリジウムは5%前後の比率で棲みついています。
この人の腸内には善玉菌がほとんどなく、
悪玉菌が超優勢の驚異的な数字で棲みついていたのです。
(明日につづく)

bennosensei.jpg

辨野義己先生(理化学研究所知的財産戦略センター・辨野特別研究室)
LKM博士にとっては、腸内菌叢の解析方法を手取り足取り指導して頂いた師匠です。
お酒の方も厳しく指導されたとか。
これまでに、二人で一体何リットルのお酒を飲んできたのでしょうか?

08/25
スペシャルゲスト登場

早いもので、このブログ、次回で100回目です y(o^-^o)y

最初は月1回の予定でしたので、予定外のハイスピードです。
これも非常に多く方のアクセスに支えられてこそ可能な事なので、
皆様には心から感謝いたしますm(μ_μ)m

予告通り、100回記念にスペシャルゲストを招待します。

今回のスペシャルゲストは、

(゚ ▽゚)/~~~~~~~~~~~~\(゚▽ ゚)ジャーーン!

理化学研究所の辨野義己先生です。

「なんて読むの?」と思われた方、
「べんの よしみ」 先生です。
テレビや雑誌への登場が多いので、
ご存知の方も多いと思いますが、
35年以上も便の研究をしてこられた、べんの先生です。
芸名ではありません。

先生との出会いは11年前。
会社の命で、
ヨーグルトの開発のために腸内細菌の研究が必要となり、
私が辨野先生の研究室に派遣されたことが始まりです。
お互い関西出身ということで気が合ったのでしょうか?
それともお互いお酒が好きだったからでしょうか?
それから、"長―く、臭―い"縁で繋がっています。

色々な笑い話は多々ありますので、
近い将来、このブログで紹介しようと思います。

では次回、100回記念、べんのブログをお楽しみに!

08/24
ウンコオートクレーブ事件

最初にお断りしておきますが、
本日紹介するお話は、私が体験したものではなく、
多くの被害者から事件数日後に伝え聞いたものです。
そのため、多少の誇張は入っているかもしれません。

さて、予告通り、ここで京都のシン君再登場。
まだ、ウンコ実験にあまり慣れていなかった彼は、
実験後、実験材料として使用した自らのウンコをステンレスの容器にそのまま放り込んで、
軽い気持ちでオートクレーブしたようです m)゚O゚'(m
あとの出来事は、このブログの読者なら想像できるでしょう。
ウンコがガンガン熱せられるのです (゚ロ゚;)

30-40分後、ご想像通りの悲劇は起こりました。
1フロアが壊滅したようです。
いつも物静かな方々も声を荒立てて怒ったそうです <`∧´╋>。
気を失いかけた方もいるとかいないとか ~(×ω×)~
とにかく皆、避難するしかなかったようです。

すごいパワーです。
これだけの被害が出るとは、オートクレーブで通常のウンコより臭くなったようですね。
一体どれ位パワーアップするのか、実験してみたい気分です。

ちなみに、
普通は実験で余ったウンコは便器に流します。
それができない場合(容器や袋にこびりついたもの)は密封し、
被害を最小限になるよう努力するものです。
そのまま多量のウンコをオートクレーブしたのは、
後にも先にも私は彼しか知りません。

ところで、
私の中では、
その時その場所に居なくて良かったという安堵の気持ちと、
居たかったという残念な気持ちが入り乱れています。
変態なのでしょうか?


outo2.JPG

実験後にオートクレーブ処理をした、私専用のウンコ滅菌容器
この中の試験管には希釈したウンコが入っています。
ウンコマークを書いて、同僚に注意を促しています。

08/21
オートクレーブ

ウンコオートクレーブ事件の前に、今日はオートクレーブの解説をします。

微生物を扱う実験では、オートクレーブという単語が頻繁に出てきます。
飽和水蒸気にて高温且つ高圧力をかける機械あるいはその処理のことを
オートクレーブといいます。
微生物実験の場合、オートクレーブは微生物を死滅させるために使用されています。
完全に微生物を死滅させることを「滅菌」というため、
「オートクレーブ滅菌」と表現し、日本語では「高圧蒸気滅菌」ともいいます。

通常は、121℃で15分間オートクレーブすれば
温度と圧力で、微生物は完全に死んでしまいます。
そのため、実験前の器具をオートクレーブで処理して余計な微生物を排除したり、
実験後には、器具についた微生物や、生育した微生物をオートクレーブで滅菌して、
環境中に拡散しないように処理したりします。

ウンコ実験でも頻繁に使います。
特に、使用した器具あるいはシャーレに生育したバクテリアは
オートクレーブ処理して洗浄や排除しないと、
ウンコ由来のバクテリアやウィルスを放置していることになり
危険なのは容易に想像できるでしょう。

まだオートクレーブのイメージが掴めない方は、
水蒸気で高温・高圧力にするわけですから、
圧力釜をイメージしてもらえると良いと思います。
それの親玉です。

事実、学生時代にはサツマイモをオートクレーブして食べている先輩がいました。
無理やり食べさせられましたが、
培地由来の変な臭いがイモに移行しており、全く美味しくなかったです。

outo1.JPG

普段お世話になっているオートクレーブです。
毎日ボタン1つで熱くなって頂き、ご苦労さまです m(μ_μ)m
あなた無しでは、研究はできません。

08/20
クレーム

お久しぶりです。
みなさん、良い夏休みを過ごせましたか?
さて、今日からまたブログを再開します。


メーカー、特に食品会社にはたくさんクレームが来るもので、
真摯な態度で受け止めなくてはなりません。
このブログに対してのクレームもそうです。

7月28日のニイニイゼミの鳴き声にクレームをつけてきた人物がいます。
このブログを毎日チェックしてくれている、京都のシン君です。
彼が言うには、
二ィーーーーーーーーーーーーーーー(徐々に高音になる。)
ジーーーーーーーーー(低音)ィィィイイイーーーーーー(徐々に高音になる。)
ジーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(低音)
だそうです。

確かに、よーく思い出すと、徐々に高音になって「ィィィイイイーーーー」
って声に切り替わりますね。
変調するとでもいうのでしょうか?
的確なクレームです。

さて、せっかくなのでシン君を紹介します。
出会いは2年半前のポリアミン研究会の研究発表会の会場。
彼から声をかけて来てくれました。
何やらややこしいが興味深いことを言ってくるので、
そのまま飲みに行ったのを覚えています。

それから、・・・・・・、長い話になりますね。
省略です。

今では極めて重要な共同研究者です。
先日紹介しました、研究資金の獲得も彼の協力がなければ無理だったでしょう。

失礼な位に省略しましたので、
次回は、彼の「ウンコオートクレーブ事件」
でも紹介しましょう。
きっと喜んでくれることでしょう。

08/12
夏季休暇

皆さん、夏休みはとりましたか?

私、実家のある奈良に帰るだけですが、
明日から土日を合わせて5日間夏休みです。

さて、実家に5日間帰るとどうなるでしょうか?
いつものパターンだと、激しく飲み食いするため、
約3 Kg太ります。

帰ってダイエット?

いいえ、そんなことはしなくて大丈夫。

不思議なもので、
奈良からこちらに戻る途中に、
腸管に溜まっていたものは、
①実家を出る直前、
②京都駅(伊丹空港の場合もある)、
③東京駅(同様に羽田空港)、
④在来線の駅、
⑤その他の場所でも
ドンドンと排泄されていきます。

積極的にLKM512と食物繊維は摂っていますので、
その量は半端ではありません。

拭き過ぎで肛門は痛くなりますが、おなかはすっきり。

ということで、
少しの間ブログはお休みです。

来週後半に再会いたしましょう!

08/07
ビッグ・ニューーーーース!!!!! ②

ややこしいですが、正確に何の研究資金かを説明しますと、
(独)農業・食品産業技術総合研究機構の
生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)が委託する、
イノベーション創出基礎的研究推進事業の発展型研究に採用されたのです。

テーマは
「健康寿命伸長のための腸内ポリアミン濃度コントロール食品の開発」

そうです、このホームページにも書いてあります"ポリアミン"が主役です。
腸内細菌が作り出す重要な物質"ポリアミン"をおなかの中で増やす技術を開発して、
健康寿命を伸ばそうというテーマです。
健康寿命とは、元気で健康的な生活ができる期間のことです。

イノベーション創出というだけあって、なかなか夢のあるテーマでしょう?
そんなことできるの?
とお思いでしょうが、できる可能性は高いと信じています。
多くの論理的背景と予備的実験結果があります。
審査員の先生方も、そう判断して採択して下さったと思います。
そのためには腸内菌叢やそれらが作り出す物質を徹底的に解析しなくてはいけません。
すなわち、ウンコを徹底的に調べるという仕事が中心です。
ウンコ分析にガンガン研究資金をつぎ込みます。
ウンコもびっくりすることでしょう。

このテーマに共同で取り組んで下さる仲間は、
理化学研究所 辨野義己先生のチームと
京都工芸繊維大学 鈴木秀之先生のチームです。
3年間、皆で力を合わせて頑張れば良い結果が出ると思います。

"元気な老後"を迎えたい皆様、応援して下さい。

08/06
ビッグ・ニューーーーース!!!!!

研究にはお金が必要です。
汎用されている機器類でも数百万円から数千万円はするものです。
車なんて簡単、家1軒建てられる価格の分析機器はたくさんあります。
実験に使う試薬も高いです。
一般の方には信じられないかもしれませんが、
1mg(1gの1000分の1)で数十万円するような代物まであります。
また、研究スタッフもお金がないと雇えません。

「こんなこと調べたいな」
「あの機械を使えば、この現象が説明できるかもしれない」
と思っても、大多数の研究者は金銭的な理由で試すことすらできないのが現状です。
もちろん、中堅企業で細々と実験している私もその一人です。
可能な範囲でベストを尽くすことが大事なことはわかっておりますが、
割り切れない時も多いのです。
「あと1000万円あれば、いやいや100万円あれば・・・、
手伝ってくれる人がいたら・・・あんな研究もできるのに・・・」

あり得ないことを考えたり、愚痴ったりするのは簡単です。
が、余計に虚しくなり、時間の無駄でしかないので、
会社の予算がないのなら、外部の研究資金を獲得してやろうと考えました。

どうするのか?
億単位の研究資金がもらえる競争的研究資金に応募するのです。
競争的研究資金とは、「国や国が所管する独立行政法人が、広く研究開発課題等を公募し、専門家による審査により採択された研究者等に配分する研究開発資金」のことです。
要するに、国が面白そうな研究に資金を与える制度なのです。

当然めちゃくちゃ競争率は高いですし、
そもそも私自身に地力がなかったので、2年間は無理でした。
が、本年度、ついに獲得してしまったのです。
億単位の研究資金を。
しかも大好きな"ウンコ"を徹底的に調べる研究テーマで。└(^へ^)┘

つづく。

           
1 2