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10/02
キイロテントウ

このブログ5種類目のテントウムシの登場です。
見かけそのまま、キイロテントウ。

こいつも、先日紹介したヒメカメノコテントウ(参照ブログ:ヒメカメノコテントウ
と同じ位のサイズで、小型のテントウムシで体長4~5 mm程度です。

20121002.JPG


動きも素早く、危険を察知すると(私の存在に気付くと)、
すぐに飛んで逃げていく個体が多いです。

エナメル系の黄色一色で、胸部の2つの黒の斑紋もオシャレです。
(この色、白鵬が14回目の優勝を決めた後の14日目と千秋楽にのみしめた黄金まわしを思い出すのは私だけであろうか?)

一般的なナナホシテントウやナミテントウでも小さいと感じる普通の方には、
このキイロテントウは小さ過ぎ見つけられず、
たとえ発見しても、斑紋が無いのでテントウムシとは思わない人が多いはずです。

図鑑で見たことはあるけど、本物は見たことないという方も多いのではないでしょうか。
私も実は畑作業をやるまでは図鑑だけの昆虫でした。
しかし、畑で虫眼(心の奥で「虫がいたらうれしいな」と無意識に探している状態・心構え)で作業をしていたら、たまに出会えるのです!

その理由はキイロテントウの食性にあります。
実は、アブラムシを食べるのではなく、うどんこ病菌を食べるのです。
うどんこ病とは、うどん粉をまいたように葉が白くなり、
どんどん広がり光合成が阻害されるなどの被害が出る病気です。

そうです、畑の作物、特にナス科の植物、とりわけキュウリは高頻度で
この被害を受け易いので、それを食べに来ているのです。

どのようなセンサーでうどんこ病を嗅ぎつけているのか謎ですが、
「キイロテントウいる所、うどんこ病あり」ということです。
ちなみに写真はナスの枝で見つけた個体です。
植物にとってはありがたいテントウムシなのです。

最後に、ちょっと微生物を扱う立場の人間として言わせてもらうと、
うどん粉病『菌』と呼ばれていますが、厳密には細菌(バクテリア)ではなく
カビの仲間で、白いのは胞子です。

09/24
仁義なき戦い 優曇華の花編(後半)

この前に是非、前半を読んで下さい
*参照ブログ:仁義なき戦い 優曇華の花編(前半)
昨日の写真をアップにしてみましたので、よーく見て下さい(それでも小さい)。
20120924.png

この写真の寄生蜂は、おそらくクロタマゴバチだと思います。

聞き慣れない方は初耳だと思いますが、他の昆虫に寄生して育つ寄生蜂ってたくさんの種類がいるのです。
ハチといえども昆虫に寄生するわけですから、あのミツバチよりもずっとずっと小さいものが殆どで、体長1 mm未満の極小サイズのものも多数存在します。
多いのは、蝶やガの幼虫の時期に寄生蜂の成虫が卵を体内に産み付け体内で成長し、
蛹になった頃に寄生主の体内を食い荒らして出てくるというパターンです。

こいつに寄生されていた蝶の幼虫を飼育していた場合の悲劇①
幼虫から愛情を持って育てていて、蛹になって羽化を待っていたら、何故か中から小さなハチが出てくるわけですから、結構びっくりします。

こいつに寄生されていた蝶の幼虫を飼育していた場合の悲劇②
もし、その飼育を小さい子供と一緒にしていたら、その衝撃度は大きく、事実を教えたら間違いなく子供は泣いてしまいます。

こいつに寄生されていた蝶の幼虫を飼育していた場合の悲劇③
もし、寄生蜂に気が付かなかった場合、いつまでも羽化しなく、自分が何かミスをしたのか思い悩みます。(もちろん観察をすれば蛹に寄生蜂が出て行った穴が空いていますが。)

私の知る限り、クロタマゴバチは比較的少数派の卵に寄生するタイプ。
昆虫の卵は、非常に小さいですが、幼虫に寄生するより簡単なのです。
幼虫に寄生すると、この幼虫体内の生体防御システムが完成しているので、これと戦わねばなりません。
つまり、侵入者を排除しようとする、幼虫の免疫細胞(哺乳類でいう血中のリンパ球など)との戦いです。
しかし、卵時代は免疫細胞が発達しておらず、寄生の邪魔をされないのです。
但し、寄生する側には、卵内で成長するための、小さな体が必要になってきます。

ちなみに、この寄生蜂に寄生する寄生蜂(二次寄生蜂)も存在しますので、奥が深い凄い世界です。
はっきり言って、私が撮影しこのブログで紹介することは不可能でしょう。

優曇華の花など呼ばれ神秘的な姿をしていますが、常に危険にさらされています。
昆虫界は常にこのような仁義なき戦いの舞台でもあるのです。

09/21
仁義なき戦い 優曇華の花編(前半)

優曇華の花が何の事かわからない方は、昨日のブログ(優曇華の花)をご覧下さい。

場所はサトイモの巨大な葉の裏。
アブラムシが多いので、当然優曇華の花も見つかる可能性が高いのです。
もっと良い優曇華の花の写真を撮ろうと、ちょっと探して発見。

20120921.JPG


昨日紹介したものより数が多く、少し黄緑染みていて綺麗な色です。
背景が一面に緑で、優曇華の花が風に揺れるので、なかなかデジカメのピントが合わず苦労していました。
と、何度か撮影を繰り返していると、何か黒いものがいることに気が付きました。
体長1mm程度のものが卵からウニウニと這うように出てきます。
「幼虫か?孵化の瞬間や~、ラッキー」

でも、よーく見ると、私が知っているクサカゲロウの幼虫ではありません。
クサカゲロウの幼虫の姿はあの有名なアリジゴクに似ています。
この黒い虫は、めちゃくちゃ小さくて見極めるのが大変なのですが、絶対に違います。
しばらくすると翅のようなものが見えてきました。
指で掴もうとすると、その内一匹は飛んで行ってしまいました。
ハエ????
いや、もしかして、寄生蜂?????
寄生蜂が卵の中で育ち、それが羽化している瞬間だったようです。


次回へ続く...。

09/20
優曇華の花

うどんげのはな」と読みます。

仏教経典に出てくる「三千年に一度咲く花」の事で、花が咲く時には如来様が降臨したり立派な王様が出現したり、良いことが次々と起こるとされています。

日本でも「めったにないもの」を例える用語として使われております。
また、『竹取物語』『源氏物語』などの古典文学や、田山花袋『道綱の母』、
夏目漱石『虞美人草』などの近代文学にも、三千年に一度咲く架空の花として、
その名が登場します。

一方で、実在するクワ科のフサナリイチジクを指す場合、昆虫クサカゲロウの卵塊を指す場合もあります。
・・・
以上、インターネットで調べたものを抜粋して簡単に解説しました。

クサカゲロウの卵が優曇華の花!?
聞いたことあったような、なかったような...。

では、そのクサカゲロウバージョンの優曇華の花をご覧下さい。
2012092001.png


2 cm程度の卵柄の先に、1 mm程度の卵がついています。
一つ一つ丁寧に産み付けられております。
これは孵化前の卵ですが、孵化後に卵が割れて開いた状態を開花に見立てる方もいるようです。つまり、これはつぼみの状態。

なんとなく神秘性は感じますが、三千年の一度咲くという程に珍しいものではありません。
幼虫の餌のアブラムシがいる所では結構発見できます。
ほら、ミニトマトの先にも!

2012092002.png


少し卵柄が折れているのは、運搬中に他の収穫物に押されてしまったためです。

ちなみに、成虫は先日のブログ(参照ブログ:クサカゲロウ)で紹介したこいつです。

09/12
クサカゲロウ

8月に撮った、私のお気に入り写真をどうぞ。
2012091201.JPG

ナスの葉の下でひっそりと隠れているクサカゲロウの様子が、
ピンボケにより表現されている写真です。
ここで一句、
「夏空に 涼しげな姿の クサカゲロウ」

失礼して葉っぱをめくって撮影させてもらいました。

2012091202.png


体長2 cm程度の綺麗な姿です。
バッタの緑色より優しい感じの白っぽい黄緑色の体、
翅には網目状の白黄緑色の線(翅脈という)があります。
そして、翅の触感はトンボとは異なり、ふわっと柔らかいのです。
そして体も非常に柔らかい。
飛び方も、ふわふわしており、お世辞にも上手とはいえません。
アリジゴクの親として有名なウスバカゲロウをご存知の方なら、
あれの小型黄緑バージョンと思ってもらって問題ありません。
とは書いたものの、
少し背丈が高い草むら等に棲息し、ウスバカゲロウよりも普通にみられる種類なので、
ウスバカゲロウを捕獲したことがある方は、クサカゲロウは捕獲したことがあるでしょう。

実はクサカゲロウの仲間は種類が多く、日本では40種類位が存在しておりますが、
私は種類を識別できません。

また、語源も説が二つあります。
この草色の体色から、草カゲロウと名付けられたという説と、
臭いカゲロウという意味で、臭カゲロウと名付けられたとする説があります。
実は、めちゃくちゃ臭いニオイを発するクサカゲロウもいるのです。
日本では4、5種類のクサカゲロウが強烈なニオイを出すそうですが、
幸か不幸か、私は出会ったことがありません。
ネットでクサカゲロウ臭を調べたところ、歯周病の人の口臭のパワーアップ版だそうです。

09/06
オオシオカラトンボ(オス)

順番が逆かもしれません。
今日は、先日のブログで犠牲になったオオシオカラトンボを紹介します。
生前の写真です。
2012090601.JPG

シオカラトンボと間違える人がたまにいますが、簡単に識別できます。
名前の通り、少しがっしりして大きのですが、それ以上に体色の青が濃いです。
あと、顔が真っ黒で、シオカラトンボのように淡い青色(青緑?)ではありません。
また、翅の根本と腹の先端(写真切れててすいません)が黒いのも違いです。
ちなみにメスは、オスの青い部分が黄色です。

飛び回っているというより、草の先端などにとまっているのが殆どで、
蚊やアブなどの獲物が縄張り内に入ると、捕獲して食べます。
よーく見ると、口をモゴモゴして食事中のこともあります。

2012090602.png

アップ~。トンボの複眼は比較的カラフルなのですが、見事に真っ黒。
完全に悪者の顔ですね。
脚のトゲトゲも見て下さい。
肉食昆虫であることがわかって頂けると思います。

とんぼのめがねは水色めがね、あーおいお空をとんだから、とーんだかーら
とんぼのめがねはピカピカめがね、おてんとさまをみてたから、みーてたかーらー
とんぼのめがねは赤色めがね、夕焼け雲をとんだから、とーんだかーら

作詞家はオオシオカラトンボが頭になかったことだけは確実です。
私なら、サングラスバージョンを作りますがね・・・。

09/03
オオカマキリの成長

オオカマキリは成長していくと、獲物も大きな昆虫を食べるようになります。
成虫のメスの個体の大物だと、体長が10 cmを超え、
アゲハチョウやトンボはお手の物、アブラゼミ位のパワフルな昆虫も獲物にすることができます。
また、スズメバチを獲物にすることもあります。
ただ、オオスズメバチのような最高レベルのハンターとの戦いになると、
どちらが先に相手を発見し攻撃体勢に入るのか(ロックオンできるか)が勝負の分かれ目になります。

さて、前回紹介した終齢幼虫位ですと、まだ、体長1~3 cm程度のバッタ類やアブ、翅を広げても3~4 cm辺りのチョウ主食としています。
そこで、頭から尾まで6~7 cmのオオシオカラトンボ(ほぼ自分と同サイズ)を与えてみました。
すぐに気が付き、ゆっくり近づくのですが、そのスピードはヒシバッタ発見時と異なり遅いです。
明らかにビビっています。
さらに、もうカマを伸ばせば届く距離に接近しても飛び掛かりません。
ビビりまくっています。
待つこと20分間、どれだけ私が蚊の攻撃を受けたことか...。
(ちなみに私は幼い頃からこんな遊びばかりしていますので、
蚊にかまれても、ほんの30分位で跡形なく消失する体質になりました。)
勇気を振り絞って、やっと飛び掛かりました。
20120903.JPG


捕まえてしまえば、後は小さかろうが、大きかろうが、ムシャムシャ食べるだけ。
私の観察経験では、次からは、同サイズの獲物なら、迷わず攻撃するようになります。
ヒトもカマキリも同じ、少し高いレベルに挑戦して成長していくのであります。
現状維持はあかんよー。

08/31
オオカマキリ飼育中

カマキリは眼で獲物を捕らえる待ち伏せ型の肉食昆虫です。
従って、飼育中は生餌をやらねばなりません。

最も捕まえやすい生餌は断トツでオンブバッタ。
私は小学生の頃から、カマキリの餌用オンブバッタを育てる用シソを栽培しました。
(この話はまた機会があれば書かせてもらいます。)
次はヒシバッタとシジミチョウでしょうか。
20120831.pngヒシバッタをむしゃぼり喰う姿です。
虫かごを開けて、デジカメ最接近です。

凶暴と感じられる方もいるでしょうが、そう思ったら最後、カマキリとは付き合えません。
私など、非常においしそうに食べていると感じるので、
観察していると、こっちのお腹がへってきてしまいます。

昆虫界では食物連鎖の最上位に位置するカマキリですから、
これ位の迫力はなくてはなりません。

08/29
エンマコオロギ(終齢幼虫)

関東地方は全く雨が降りません。
通常は水などまかない露地栽培の畑も、連日の真夏日で、いよいよ干からびてきました。
仕方なしに、新しい苗等を定植すると、頑張って水をまいています。

虫達も水がうれしいのでしょうか?
ジョウロで水をまいていると、エンマコオロギが寒冷紗を登ってきました。
しかも、私が覗き込んでも恐れることもなく、全く逃げません。
さすが閻魔様! やたらと堂々としていました。
20120829.JPG

昨年紹介した個体(参照ブログ:怖そうなコオロギ)と異なり、これはまだ幼虫です。

あと一度脱皮したら成虫になる終齢幼虫です。
基本中の基本ですが、翅はまだ生えていないので幼虫とわかります。

そして、メスです。
これも基本中の基本ですが、キリギリス、コオロギの仲間は、
お尻の先に管(産卵管)があるか否かで性別を見分けます。
(私が何回説明しても、「なんでわかるの?」と聞いてくる人がいるんですね~)

この写真、注意して頂きたいのですが、触角の根本の光沢のある蟹の眼のような球は水滴で、本当の眼はその後ろ側の黒い丸ですから。

それにしても、見事な水のはじきっぷりですね!
これを見て、愛車を洗って撥水コーティングの効果を取り戻そうと決意したのでありました。

というのは、ウソです。
(この前も使ったな、この締め方 (・_+)>゛)

08/27
アオクサカメムシ(幼虫)

前回紹介したカメムシの卵ですが、しばらくすると、ゾロゾロと孵化します。
私の知る限り、多くのカメムシの幼虫は、
卵の中から上方を押し上げ、先端部を円状にパカッとくり抜くような感じで出てきます。

小さな幼虫は産み付けられた植物の汁を吸い始め、
1週間単位で脱皮を繰り返すような猛烈なスピードで成長し始めます。
産まれてしばらくのカメムシは、移動距離も少なく、集団でいることが多いのですが、
成長とともに単独行動し、食欲もドンドン増加しますので、植物の被害は甚大です。

カメムシは不完全変態(サナギにならない)ですが、幼虫の姿は成虫と似ていないことが殆どです。


20120827.jpg

これ、アオクサカメムシの2齢幼虫(1回脱皮した幼虫)です。
デジカメを必死で近づけて撮影したので大きく見えますが、体長僅か2~3 mmです。
あおく(緑)なーい!

終齢幼虫(成虫になる直前)はこんな感じ→参照ブログ:好きでない虫

成虫はこんな姿→参照ブログ:好きでない虫2

全然違いますよね。
3齢幼虫、4齢幼虫と、脱皮毎に緑の部分が増え、体が角ばってきます。
撮影できなかったのは残念ですが、野菜が甚大な被害を受けますので退治しました。

ちなみに、写真の頃は、歩くのもぎこちなく遅く、体も柔らかいです。
軽く指で捕まえようと触るだけでつぶれることもあります。
しかーし、油断してはなりません。
刺激すると成虫と同じ臭いを出します。
成虫より弱いですが、地面で踏み潰しても、1.6 m上方の鼻で感知できるので、相当のパワーです。
さすがカメムシ!

           
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