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協同乳業研究所

07/10
クルマバッタモドキ(幼虫)

この時期、バッタはまだ幼虫です。
とはいえ、不完全変態のバッタは、小さい時からバッタの形をしています。
このブログでは何度か登場しているクルマバッタモドキの幼虫が、
参照:クルマバッタモドキ

「写真を撮って」
とばかりに私の前に現れました。

20120710.png


まだ、体長は2 cm弱。
推測ですが4齢幼虫位ではないでしょうか?
(孵化直後が1齢幼虫、それ後、脱皮の度に齢数が増える。3回脱皮したら4齢幼虫)
このタイプ(トノサマバッタやイナゴの仲間)のバッタ類の幼虫は、体の割に頭部が大きく、かわいい体型です。
バッタやキリギリスの仲間は、幼虫時代は、種類を見切るのが難しい種類が多いのですが、
これはほぼ間違いなくクルマバッタモドキの幼虫でしょう。
首の白線の模様がその特徴を示しています。

成虫になったら飛翔能力が高く、近づいたら10 m以上飛んで行く手強い奴らですが、
まだ翅も生えていない幼虫は、簡単に捕獲できます。

【捕獲時満足度】6(幼虫時)

07/09
ウヅキコモリグモ(卵嚢持ち個体)

真冬にも活動しているクモとして紹介しましたこのクモを覚えていますか?
20120709.png
ウヅキコモリグモです。

(参照ブログ:ウヅキコモリグモ(昨日のクイズの回答))

卵嚢(多量の卵をまとめて糸で包んで保護した塊)を持っている個体を、
やっと撮影できました!
時々畑で見かけるのですが、用心深い性格で、デジカメを近づけると、
素早い身のこなしで、草や石の下などに隠れてしまうので、なかなかまともな写真が撮れませんでした。
冬とはスピードが違います。

写真はちょっと見難いですかね?
とはいえ、彼らも保護色で自分の身を守っていますので、仕方ないことです。
おかげで、なかなかデジカメのピントが合いません。

どれが卵嚢なのかわかりますか?
この写真では頭部は左側、腹部は右側になりますので、
腹部側の白っぽいのが卵嚢です。
よく見ないと、大きな腹のクモのように見えますが、
腹部が上に反ったような状態で、その下に乾いた土のような色の卵嚢が付着しています。
卵嚢のサイズは腹部の3~4倍もあり、随分大きいのがわかります。

このように卵を持ち歩き、孵化後もしばらく仔グモを背中に乗せて守る習性は、
コモリグモの仲間の特徴です。
漢字で書くと子守蜘蛛。
その名の通りのクモなので、是非、覚えておいて下さい。

06/26
ノミバッタ

とにかく撮影が難しいバッタです。
探しても、そう簡単には発見できません。
たまに、偶然、目の前に現れるタイプです。
今回、畑の寒冷紗の上で発見しました。
アップは捕れませんでしたが、なんとか紹介できるサイズで撮れました。

20120626.png


何度か紹介しているヒシバッタの半分以下のサイズ、体長は5 mm前後の極小バッタです。
もちろん成虫でのサイズです。

どうですか、この黒光りしたメタリックなボディー!
そして、驚異的な太さの後脚!!!
スピードスケートのオリンピック代表もびっくりでしょう。

見た目の通り、ジャンプ力は強力で、一っ跳びで、ほぼ見失ってしまいます。
しかも用心深い。
発見して、そーっと50 cm位の距離にデジカメを近づけ、ピントを合わせていると視界から消えてしまう。
いつ跳んだ、何処いった???????
という感じです。
ジャンプした瞬間さえ気付かない程のハイスピードです。
このジャンプ力からノミバッタという名が付いているのかと思いますが、調べていません。

極小で、且つ体色も土の上では役立ち、石や木の枝と識別できず、見失うのです。
さらに土に潜る能力もありますから、手に負えません。
体長あたりのジャンプの距離は昆虫界でも1、2を争うレベルだと思います。
その代り、翅は短く退化していて飛翔することはできません。
しかし必要ないです。
何しろ、この私ですら、捕獲困難種なのですから。

【捕獲時満足度】8(10点満点)捕虫網があれば捕獲は可能のため減点。素手で捕れたらかなり凄い(10点)。しかし、その凄さを理解できる人は周囲には殆どいない(悲)。
【撮影時満足度】10(アップが取れた時)(10点満点)上述の通り。とにかく接近中に消える。今回の写真は8点です。

06/22
カエルさん、ごめんなさい

今日も悲しい話を。

先日紹介したオタマジャクシ達(2匹)ですが(「おたまのへんたい」参照)、
小さいカエルになって頑張って育てていたのですが、
月曜日に死んでしまいました。

カエルになり立ての頃の世話が最も困難で、
小さい生きた餌しか食べられないため苦労しました。
小さいといってもカエルの体長が約1 cmなので極小サイズの昆虫です。
ショウジョウバエ(小バエ)や小さなクモ、アブラムシ程度です。
蚊は無理でした。
結局、餌探しが大変なので、インターネットでショウジョウバエ(翅ナシ)を購入し、
自分で培養して与えることに。
予想以上にショウジョウバエにカエル達は大喜び!
元気にパクパク食べて、体も少し大きくなっていました。

で、かわいいので、もう少し自然な環境に近づけてやろうと、
土の上で生活するアカガエルなので、陸地を金魚鉢用砂利から腐葉土に替えました。
雑草も植えてあげました。

ところがです、月曜日、蓋を開けると2匹とも動かない。
どうやら、腐葉土で歩きにくくなり、プール(小さなタッパーに水を入れたもの)に
戻れなかったようです。
カエルは水を飲むのではなく、皮膚から吸収するので、
水に体を浸ける必要があるのです。
プールに戻れなかったら死んでしまいます。
ショックでした。
かわいそうなことをしてしまいました。
20120622.JPGこんなにかわいいやつでした。
まさか、これが最後の写真になるとは・・・。
ごめんなさい。

06/13
アブとハチの違い

一昨日、昨日とアブとハチを紹介しましたが、
アブとハチの違いはご存知ですよね?
念のため書きます。

系統的にはあまり近くない昆虫です。
まず、ご存知のように、ハチはお尻に針を持っていますが、アブは持っていません。
しかし、これはさすがに捕獲しないとわからんとクレームが来るでしょう。

では、見た目の体の特徴はどうか?
一言で述べると、
アリに翅が生えたようなのがハチ、
ハエのようなのがアブです。
アリとハエの区別ならできるでしょう。

実際、ハチは分類学的には膜翅目に属し、その中にアリもいます。
ハチはアブと比べると、頭と胸の間(おそらく表現は正しくないが首)と胸と腹の間(同じく腰)が細くてくびれがある体型です。
また、触角がある程度の長さがあるためきっちり見え、
眼が比較的小さい(頭の表面積の内、眼の占める割合が少ない)です。

それに対して、アブは双翅目に属していて、ハエやカがこれに属します。
頭、胸、腹の差が無く、くびれが殆どありません。
また、多くの種では触角は相当近づかない限り見えない程短いです。
あんなに短いのに、何故遠くから腐敗した食べ物やウンコの臭いを嗅ぎつけるのかは謎ですが...。
そして眼が大きいです。頭部の半分以上が眼という種が多いです。
また、よく見ると複眼であることがわかることが多く、
カラフルなサングラスの様にメタリックな青色や緑色の眼の種類も多いです。
ちょっと見難いですが、以前紹介したツマグロキンバエを参照にして下さい。
(参照ブログ:まだ活動中の虫

そして意外と知られていない大事なことがあります。
アブは双翅目、つまり翅が2枚なのです。
小学校で習うように、昆虫の定義では翅は4枚なのですが、
アブやハエはその内の2枚が退化していて、見たところ翅は2枚だけなのです。
実際には、退化した翅の痕跡が残っています。
アブのつもりでハチを触ったらいけませんので、ハエを捕まえて観察してみて下さい。
大きな翅の下側に、非常に小さい団扇のようなものが付いています。

えっ、見たいけど、そんな都合良くハエがいないって。
出したてウンコを屋外に放置したら、ほんの数分で来ますよ。
但し、ウンコを間接的に触ることになりますが。
( ̄ー+ ̄)

06/12
キボシアシナガバチ

昨日はハチのような模様のホソヒラタアブを紹介したので、
今日は本家のハチを紹介しておきます。

先月、自宅のガラス窓の外側に巣作りをしていたキボシアシナガバチです(たぶん)。
20120612.JPGもちろん、5月に一から巣作りしているこの個体は女王蜂です。

私が覗き込むと、すぐにこの態勢になり威嚇してくるので、
特徴である腹部前方の2対の黄色い斑紋(キボシ:黄星)は確認が困難でした。
ただ、この黒と茶色の地味系の体色と、この顔面の黄色い五角形は、
かなり高い確率でキボシアシナガバチと思います。
蛹になる時、巣の入り口に黄色い蓋ができるのが特徴なので、
中の卵の成長を待ち、それで確かめようと思っていましたが、
こいつが餌獲りに出かけている内に、妻が巣を排除したようです。
まあ、自分の家の窓際にアシナガバチの巣ができたら普通は排除するわな。

ちなみに、こいつはアシナガバチの中では攻撃性が強い方と言われております。
昨日のホソヒラタアブとは顔つきが違うでしょ?
たかが2 cm足らずの体長ですが、ハンターのオーラが出ています。

【発見時満足度】7(10点満点)
私の周囲では殆どがセグロアシナガバチで、結構珍しいので高得点。

06/11
ホソヒラタアブ

今日紹介する虫はアブです。
たぶんアブはこのブログ初登場と思います。
アブというだけで毛嫌いする方、それは間違った知識が植えつけられております。
ヒトを刺すアブは一部の種で、多くのアブは刺しません。
特に本日紹介するハチに似たアブの殆どは、刺さないおとなしいアブです。

ホソヒラタアブ
2012061101.JPG


体長1 cm程度の小さなアブです。
花の蜜や花粉が主食のタイプのアブで、ハナアブ科に属します。
細くて平たいからこのような名前です。
体がアブにしては細いのは写真からわかりますよね。

この角度からはわかり難いですが、横から見ると体が平べったい(=扁平)のです。
花の近くでホバリング(空中の同じ場所で留まる飛び方)していることが多く、
虫捕網があれば非常に捕獲し易い昆虫です。

メタリック系の黒と黄色のコントラストも良い感じですね。
この色使い、一瞬人工的に感じるのですが、眺めているとやっぱり自然の創造物です。
人には創り出すことはできないと思います。

もちろん、これはハチ(自然界では怖い存在)の模様に似せて身を守るように進化したといわれております。
いわゆる擬態ってやつですね。

幼虫の時はスケルトンなんですよ。
すなわち外側が透明で内臓が透けて見えるのです。
そしてアブラムシを主食にしています。
花粉の受粉にも貢献しますし、作物を育てている側の立場では完全に益虫です。

カマキリなど肉食昆虫を飼育している立場では非常に扱いやすい餌虫です。

【捕獲時満足度】3(10点満点)
但し、肉食昆虫等の餌として捕獲した時は5

06/06
ムネアカオオアリ(女王)

5月中旬の夜8時半頃、助手Aが
「これ廊下を歩いていたのですが、何でしょう? すごくデカいアリみたいなのですが?」
と、持って来たのはこいつです。
20120606.JPG


「おー、ムネアカオオアリ。しかも女王やん!!!」

その名の通り、胸から腹の部分が赤いアリで、
クロオオアリと並び、日本最大級のアリです。
朽木を好むため、開けた平地にはいないので知らない方も多いですが、山間部にはよくいます。
山登りをする人などは、登山中に木陰で休憩時などに見かけたことがあるのではないでしょうか?
私が、最も好きなアリの一つです。

体長2 cm弱、迫力のあるこのサイズは間違いなく女王です。

この季節、アリは結婚飛行を行うため、交尾直後の個体を捕獲したようです。
結婚飛行とは、交尾のため新女王候補とこの時だけ生まれる雄アリ(共に翅が生えて飛行する)が一斉に巣から飛び出し、別の巣の異性のアリと交尾をする繁殖行為のことです。
そして交尾できた新女王は地上に降り、翅を落とし、新しい巣になる場所を探すのですが、
そこを助手Aに発見されたというわけです。

つまり、翅アリが突然発生する時がありますが、それは結婚飛行の日なのです。
同種のアリが一斉に飛び出さないと交尾できないので、
アリの種により飛び出す条件が決まっています。
ムネアカオオアリの場合、5~6月の雨上がり直後、
しかも時間が昼過ぎから午後5時位の間のようです。
つまり、午前中雨が降り、昼過ぎから夕方に雨がやむ必要があるのです。
そんな都合が良い日が、この初夏の限られた期間に何度あるのだろうと不思議ですが、
その条件が厳しければ厳しいほど、
その地域で一斉に結婚飛行ができるというわけなのでしょう。

「これ、飼育したら働きアリを産んでおもしろいで。」
助手Aは「とろけるかぼちゃプリン つぶあんソース」のカップに入れて持って帰りました。

【捕獲時満足度】 9 (10点満点)
女王アリに限る。働きアリは4点。

05/25
もちろん探しているのです

昨日のヨコヅナサシガメのブログを読んだ方から、
「飼っているのですか?獲物を食べている写真なんて普通は獲れないでしょ。
そもそもこんな虫見たことないし。」という主旨の質問を受けました。

はい、見つけたら捕獲して飼っています。
というのは嘘です。

いつも探しているのです。
この虫に限らず、色んな虫を。
ある程度の知識があれば、この時期のこの植物にはこの虫がいると予想できますので、
姿、形、色をイメージして探しますので発見しやすいです。
そして不思議なことに一度発見すると、その条件が脳ミソにインプットされ、
類似した環境が目の前に出現すると無意識で捜索してしまうのです。

春先の桜の木の幹にはヨコヅナサシガメがいることが多いと知っていれば、
桜並木を1本ずつ調べると、ここ関東地方では10本調べればほぼ確実に発見できます。
50本位調べれば、昨日紹介した集団化した状態や、
捕食中の個体も発見できることもあるはずです。
来年、是非やってみて下さい。

但し、花見をしている方々の目には、サシガメ捜索はかなり異様に映り、
不審な行為と捉えられることを明記しておきます。
弁解のために発見したサシガメを見せると、もっと嫌がられますので気を付けて下さい。

ここで一句。

花を見ず
幹と枝のみ凝視する
サシガメ探し
我が花見なり

以上、失礼しました。

05/24
ヨコヅナサシガメ再登場

昨年に引き続きヨコヅナサシガメの登場です。
このブログの前に、
「横綱刺亀虫」を読んで頂ければ、
この昆虫の特徴はわかると思います。

まずは、これ。
2012052401.JPG


春先サクラの木に集団でいることが多いのです。
どうですか、かなり気持ち悪いでしょう。
虫嫌いなら、見て見ぬふりをするのではないでしょうか?
大きいのが成虫、少し小振りで赤い模様が大きいのが幼虫です。
わかり難いですが幼虫は翅もまだ生えていません。
おそらくこれ皆兄弟で、成長が早いやつが成虫になっていると思います。

さて、もう一枚。
この虫が獰猛な肉食昆虫であることを示す写真です。

2012052402.JPG


どうです?
何かの幼虫に自慢の針状の口器をプスリ。
体液スープを満喫中です。

見かけは気持ち悪いですが、作物を育てる立場からは益虫だと思います、こいつ。

「横綱の名を汚さぬよう、一撃必殺で獲物に口を挿し、益虫道を精進いたします。」
by ヨコヅナサシガメ(代弁LKM博士)

           
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