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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

09/30
執筆作業が進まないのは菌止のせい?

本業である研究論文や解説原稿の執筆が進まんのです。
全然・・・
依頼されているLKM512のアンチエイジングの効果に関する解説原稿は、
既に締切期日が過ぎ待ってもらっている有様。
日本語なので本気出したら1日でできるパワーは持っているはずなのに、
できない。

リジェクト(拒絶)された論文の別ジャーナルへの投稿もこの1ヶ月間滞っております。
普段なら、猛烈なスピードで修正して次の投稿するのですが・・・。

敢えて書きませんが、思い当たる理由は色々とあります。
でも、これまでも色々とありましたが、クリアしてきました。
特に追い詰められたら謎の力を発揮していました。
それが、出ないんです。
最大の問題は、どうも脳が活発に働かないんです。

脳か? 脳ミソがね~ 俺のウンコ色の脳ミソがね~

で、また別の締め切り直前のシンポジウム要旨を書いていて気が付いたんです。
「腸内細菌は脳内代謝に影響を与えている」と最近よく使うフレーズを書いている時に。

俺の脳ミソが突如活発に働かなくなったのは腸内細菌のせいじゃないか!!!!って

そうです、私、現在ビフィズス菌LKM512の摂取をストップしてるんです。
菌止(きんしと読む)です。
ちょうど1ヶ月になります。
今では完全に私の腸からLKM512は姿を消していることでしょう。
これはウンコを保存しているので後で解析すればわかることですが。

腸内細菌と脳の活動への影響は既に自分達で発表しているのに、
LKM512が脳の活性に作用している可能性がある論文も発表しているのに、
自分の脳ミソの活動低下の理由として「菌止」が頭に浮かばないなんて!
この現象自体が証拠ではないかとも思えます。
参照ブログ↓
腸内常在菌が脳の代謝系に与える影響 ―解説忘れてました(笑)編―
腸内常在菌が脳の代謝系に与える影響 ―実験方法編―
腸内常在菌が脳の代謝系に与える影響 ―差があった編―
腸内常在菌が脳の代謝系に与える影響 ―脳ミソ使ってるのか?編―

LKM512の脳のアンチエイジングのリリース
ということで、菌止が解除される今週の金曜日まで執筆作業は進まんことでしょう(笑)

09/29
メイトーバザール2014へのご来場、ありがとうございました!

9月27日(土)に東京工場・研究所敷地内で実施したバザールにご来場下さった皆様、
誠にありがとうございました!

十分に楽しんでいただけたでしょうか?

昨年の反省を活かし、色々と内容を変更したため、
少々不満だったお客様もいらっしゃったようですが、
概ね好評でよかったと思います。
快晴でしたしね!

20140929.JPG

①告知を抑えて来場者数を減らし、
②人気商品カテゴリーの販売テントの分散化
③テント内レジ数および人員の増加
による会場の大混乱を抑える作戦を決行した結果、
会場内の大混乱がほぼ完璧に解消されました!

おおよその来場者数は1600~1700名で昨年より数百名減なので、
②と③の作戦が見事に成功したと考えています。
(昨年は大混乱だったため、正確な人数は把握できていないが2000名程度としている)

主催者目線ですが
「我ながら天晴!」
という位に見事だったと思います。
(混乱が解消され過ぎていたので、もう少し来場者が欲しかった位である...)

昨年も感じましたが、今年も同様に、
部署間の垣根を越えて取り組むことで得られる一体感と
一日乗り切った達成感は、
それなりに多くのメンバーの表情から感じ取ることができたのでよかったです。

アンケートをとっていますので、それを参考に改善して、
来年度はより良いバザールにしたいと思っています。
私の中では、
「春日野部屋特製ちゃんこバザール販売プロジェクト」が始動!

09/26
優勝されちゃ、やらんとあかんわな #sumoyogurt

大相撲九月場所、えらいことになってますね!
9/12の場所前ブログで、
「新入幕の逸ノ城がどれだけやるのか?」
なんて書いて注目はしておりましたが、ここまでやるとは...。

忙しいのでさっさと本題に入ります。

十両の栃ノ心関の快進撃が止まりません。
貫禄の12連勝!
今日にも十両優勝を決めてしまいそうな勢いです。
相撲内容もとても素晴らしいです。
怪我で番付を下げただけですから、当たり前といえば当たり前なのですが。
でも、冬に訪問した時は、まだ鉄砲柱相手にしか稽古できていなかったのを考えると、
私としても何かやらんといけないなという気持ちになって来ます。

毎場所やってきた企画
「春日野部屋勝ち越し関取の勝ち星数のヨーグルト(箱入り)プレゼント」
をマンネリ化と私の負担激増に伴い、先場所後、無期限中止を決めた直後ですが...。

今場所は完全復活を願って「栃ノ心」幟まで出していますし。
2014092601.JPG

というわけで、栃ノ心関が優勝したらお祝いで、
おなかにおいしいヨーグルト」を勝ち星数(箱単位)プレゼントします!
応募はTwitterにて #sumoyogurt で私(LKM博士)に返信下さい。

応募期間:栃ノ心優勝決定直後から千秋楽の午後10時まで(私が締めのツイートします)
栃ノ心へのメッセージ大歓迎。
近い将来、本人に渡します。
日本語読めるのか否かわからんが...。

休場明けの栃煌山関も、昨日勝ち越し!
もう職場で「亜脱臼さん」と呼ぶのを止めようと思います。
場所前に食事をしたこともあり心配していたので(「栃煌山参戦」)、
これもお祝いです!
祝いプレゼントは「ヨーグルトメーカー」と「手づくりヨーグルト種菌(1箱5回分)」のセット
これをsumoyogurtでプレゼントするのは初めてです!
自宅で牛乳(成分無調整乳)からヨーグルトが作れます。

碧山関も勝ち越せば、1セットプラスで、合計2名様にプレゼントします。
同じく #sumoyogurtで「種菌セット」と明記しておいて下さい。

では。

09/25
ナガコガネグモのハンティング(やらせ)

丸々と肥えたナガコガネグモ(メス)発見!
2014092501.JPG
でかい
脚を含めない体長は2.5cm位であるが、脚も入れると6 cm近くはあるのではないか。

巣を張るタイプで大きなクモとしては、
以前に紹介したジョロウグモとこのコガネグモの仲間が存在するが、
私はコガネグモ派である。
誰も私がどっち派であるかということに興味がないことは十分承知しているが、
一応表明しておく。

獲物が巣に引っかかった時の反応の良さと「糸グルグル巻き」技術の凄さは、
クモ嫌いの方でもそれなりに感動することであろう(たぶん)。

皆さんにも知ってもらいたいので、オンブバッタを引っ掛けてみた。
(厳密には自分の欲求を満たしているだけかもしれないが...)
私がオンブバッタを投げつけたのだから「やらせ」と言われれば否定できない(笑)

2014092502.JPG
オンブバッタを投入した直後にデジカメを構えねばならず、
あまりのスピードであるためピントが合わなかった。
しかし、凄まじい量の糸が布のようにお尻から放たれ、
それを後脚に引っ掛けて獲物に巻きつけているのはわかるであろう。
この時、獲物は陶芸のろくろを使っているかのようにグルグル回転させられている。
しかし、どの足で回転させているのかは今一わからない。
おそらく上から2対目と3対目の脚を使っていると思われる。

文章で説明するのは困難なので、今度は動画を撮りたい

巻き終わるとこんな感じ。
2014092503.JPG
バッタが、少し足を動かすがどうにもならない。
この間、僅か3秒位。
期待を裏切らない3秒間であった。

09/24
キウイが破裂

会社の事務作業用の机に置いておいたキウイフルーツ。

木からもぎ取ったものの、まだ硬かったので熟すのを待ってました。
特に気にもせず。
というか放置。

パソコン作業をしてるとふと何がが動くのを感じた私。
動いた箇所に視線を向けると
キウイが破裂して、裂け目から泡がブクブクと吹き出しているじゃないですか!
2014092401.JPG

ほんのりと熟したキウイの香りと共にアルコール臭が。
キウイ酒になっとる!!!

酵母による発酵が起こったと思われます。
間違いないでしょう。
酵母がキウイに含まれる糖を利用してアルコールと炭酸ガスを産生したのです。

どのように酵母が果実内に入り込んだかは謎ですが・・・。
キウイ表皮に付着していた酵母が目に見えない傷から入り込んだのでしょうか?

大昔の人が発酵という現象に気付いた場面は、
おそらくこういう偶然であったと思わせる出来事でした。

09/22
ちょっとした連鎖物語

夏野菜畑から冬野菜用にシフトするため畑を耕す
⇒夏の間に棲み付いたアリの巣を破壊してしまう
⇒幼虫やサナギを担いで働きアリは大混乱
⇒アリに申し訳ないと思う
⇒次の日、アリの巣は復活
⇒ホッとする
⇒1週間後、植えたブロッコリーの苗が突如枯れる
⇒ヨトウムシかコガネムシの幼虫と思い捜索するが見つからず。
⇒次の日、隣のブロッコリーも同じ症状で枯れる。
⇒再び掘り起こし、真下にコガネムシの幼虫を発見
⇒私、怒る
⇒コガネムシの幼虫捕獲
⇒踏み潰しの刑を直前でストップ
⇒コガネムシの幼虫をアリの巣の近くに放置する
⇒アリへのお詫びだ
⇒アリ、獲物に喜ぶ
⇒どんどん巣からアリが出て来る
⇒しばらく観察
⇒ずっと観察
⇒遅刻しそうになる
⇒でも、ブログネタになった。

20140922.JPG
10匹弱のクロヤマアリがコガネムシの幼虫を攻撃しています。

09/19
論文掲載(臨床試験:アトピーのかゆみ軽減) ―追加試験―

かゆみが軽減した被験者では何が起こっているのか?
ここからが私が興味を持つポイントです。

当然、LKM512を摂取しているわけですから腸内で何かが起こっているはずです。

ハイ、ウンコを調べましょう~!

臨床試験準備の段階からこれがやりたかったわけで、
きっちり倫理委員会に提出するプロトコルにもウンコの回収と解析は入れてありました。
治験コーディネーターさん達は、通常は試験食の有効性の判定しか行わないので、
相当戸惑っておられました。
その節は、ご迷惑をおかけいたしました。

顕著にかゆみが軽減した被験者の試験前とLKM512摂取後の糞便を、
得意のメタボロミクスで徹底的に調べてみました。
(メタボロミクスの詳細は以前のブログで⇒メタボロミクス、ウンコロミクス・・・

結果は、個体差大。
予想通りですが、糞便中に存在する低分子の成分は、個人差が大きい腸内細菌の影響を強く受けるのでバラバラです。
しかし、1成分ずつ調べていくと、綺麗に上昇している成分が1つだけ見つかりました。
キヌレン酸という物質です。

知らないでしょ?
私も「何これ?」と思いました。
殆ど研究されていないのです。
ただ、色々文献を調べてみると、
キヌレン酸は中枢神経系に作用し、痛みと関連する受容体に反応し、
痛みを和らげる作用があることがわかりました。
!!!
実は、アトピー性皮膚炎患者の「かゆみ」は、掻き過ぎてあるポイントを超えると「痛み」に変わることから、「かゆみの強いのが痛みだ」というような議論を用賀アレルギークリニックの永倉先生とも散々やっていたので、痛みに関連する物質が糞便中で増えていたと気付いた時は、電撃が走ったような記憶があります。

そこで、アトピーモデルマウスを作製し(下写真)、
キヌレン酸を投与して掻痒(掻く)行動の回数を調べてみました。
2014091901.JPG
撮影:助手A♀(ダイエット中。しかし、減ってません。)
アトピー性皮膚炎モデルマウスは、ダニ抗原を塗布して3週間かけて作ります。

このマウスにキヌレン酸を静脈注射したところ、
見事に掻痒行動の回数が減るじゃないですか!
まだ、経口投与で実験しておりませんので、推測段階ではありますが、
LKM512のアトピー性皮膚炎患者のかゆみ低減メカニズムは以下のように考えています。

ビフィズス菌LKM512投与で、腸管内でかゆみ低減物質キヌレン酸が産生され、
血液内に吸収されたキヌレン酸は脳内に到達し(一部は血液脳関門を通過するという報告あり)、かゆみの神経系の反応を抑え、患者のかゆみが軽減させたと推測しております。

以上。

4日間も真面目なブログを続けたので、私のウンコ色の脳ミソは爆発しそうになっております。

09/18
論文掲載(臨床試験:アトピーのかゆみ軽減) ―結果―

昨日のブログで説明したGCPに準拠した試験は、
評価法はとても厳しいのですが、
逆に、私(依頼者)が試験に介入しないことで効果効能を公平に評価しているので、
試験中、私は非常に楽です。
終わってから論文を書くのが大変ですが。

さて、結果ですが、正直、聞くのが怖かったのを覚えています。
余談ですが、コーディネーター会社の方は、
良い結果が出ず、開発部門から外されるどころか、
どこかに飛んで行った企業人を両手では数えきれない位に知っているとか...。

ラッキーなことに、結果は良好!

①かゆみが著しく改善されました!!!
LKM512により顕著に改善された被験者が2割
改善された被験者が6割
合計8割の被験者が改善されたということです。
20140918-1.png
プラセボでも半数の方に効果があったのは驚きですが、
統計学的に、LKM512摂取でプラセボより効果があることがわかりました。

②自覚症状をVASという方法で測定した結果も見事でした。
これは10cmの線に自分のかゆさのレベルを示してもらう手法です。
20140918-2.png
左が全く痒み無し
右が考えられる最大のかゆみ
あたなの昨晩のかゆみはどの辺りですか?
と印をつけてもらい、その長さを測定し、かゆみのレベルを数値化する方法です。

LKM512では統計学的に有意にかゆみのレベルが減少しているのがわかると思います。
20140918-3.png

③患者さんの生活の質(QOL)が低いことが、アトピー性皮膚炎の最大の問題点と考えられます。
そこで、QOLをSkindex 29という世界中で使われている方法で評価しました。
感情、症状、機能に関わる30の質問がバラバラに並んでいるアンケートです。
しかし、実際に点数化するのは29の質問なので、Skindex 29というらしい...?
(じゃ、無くせば良いじゃないかと思うが、そうもいかないらしい。謎である。)
1.全くなかった、2.殆どなかった、3.時々あった、4.しばしばあった、5.いつもそうだった
の当てはまる箇所に印をつけます。
例えば、
「自分の皮膚の状態に、腹が立った」(感情)
「皮膚がぴりぴり、ちくちくした」(症状)
「皮膚の状態のせいで、仕事や趣味をするのに支障があった」(機能)

その結果がこれです。
プラセボでは症状スコア以外は効果がないのに、
LKM512摂取で全てで見事に減少(改善)しています!
20140918-4.png

今回調べた項目の中で、効かなかったのは皮膚の症状でした。
改善する傾向は認められたのですが、統計学的には差があると言い切れない状態。
もう1ヶ月程続ければ、効果が出たかもしれません。

被験者の症状に関するデータはここまで。
でも、ここで終わらないのが私。
いよいよウンコの登場です。

つづく

09/17
論文掲載(臨床試験:アトピーのかゆみ軽減) ―方法等―

昨日の続きです。

ヒトで実施する試験を臨床試験といいますが、
数名に試験食を食べさせて「血圧を測定したら下がった、ラッキー!」
というようなレベルの試験もこの範疇に含めるとしたら、
臨床試験はピンからキリまであると言えます。

今回我々が実施したのは
「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(Good Clinical Practice: 略してGCP)に準拠した試験系です。
ここ大事です。
めちゃくちゃ大事です。
つまり、薬の開発のための試験(治験ともいう)と同様の試験を食品で行ったわけです。
(GCPに関して詳しく知りたい方は厚生労働省のホームページに詳しく且つわかりやすく書いてありますので参照して下さい。)

GCPに準拠しておりますので、
この試験は公の治験データベースに試験前から登録しております。
これはネガティブ(都合の悪い)データが出た場合、隠さないようにするためです。
ちなみに、本研究は大学病院医療情報ネットワークUniversity Hospital Medical Information Network(UMIN)臨床試験登録システム(http://www.umin.ac.jp/ctr/index.htm)に登録されています(ID:UMIN000005695)。

さらに、
試験依頼者(私)と実施病院(医者)および被験者との間には
それぞれ治験コーディネーターが入り、
さらに独立した統計解析者が入り(※1)、
厳正な効果判定を行うのです。

ですから、
殆どの食品企業が行っている通常のヒト投与試験とは、
ズバリ、重みが違います!

私の知る限り、GCPに準拠した臨床試験を実施している食品企業は殆どありません。
殆どが、自社研究員と医者のみで完結するタイプの臨床試験です。
独立したコーディネーターや統計解析者が入らないので・・・。

これ以上書くと暗殺されそうなのでストップ

本試験には、昨日紹介した用賀アレルギークリニックの永倉俊和先生をはじめ、
主旨を理解して下さった先生方が協力して下さいました。
最終的に8医療機関、合計44名の中程度以上の成人のアトピー性皮膚炎患者で実施しました。
私が知る限りでは、この試験は、過去に世界中で行われた成人型アトピー性皮膚炎の臨床試験(論文化されているものに限る)で、最も被験者数が多く、最も参加機関が多い試験です。

試験は二重盲検並行群間試験で行いました。
ややこしいですが
LKM512粉末(試験食)を8週間摂取するグループ と
LKM512が入っていない粉末(プラセボ)(※2)を8週間摂取するグループ
の比較です。
また、被験者は自身がどちらの食品を摂取しているかわかりません。
当然、判定する医者もわかっていません。
『被験者も試験者もわかっていない』 = 『二重盲検』
という事です。
どの被験者がどちらの試料を摂取していたかは、
全てのデータが固定(※3)されてから、
キーオープン(割り付け情報の開封)の儀式にて初めて明らかになるのです。

20140917.jpg
これは、その固定されたデータ達。
段ボール一箱分あります。

つづく。

※1 昨年来、世間を騒がせている高血圧治療薬ディオバン(ノバルティス社)事件は、この統計解析者にノバルティスの子会社であるノバルティスファーマの社員が身分を秘匿して統計解析者として関与しデータ操作などをしたとされる一連の不正事件である。
※2 「LKM512がアトピーに効く」と思い込むだけである程度の効果が得られるため、この効果を差し引くための有効成分が含まれていない食品。偽薬ともいう。
※3 各被験者のデータは日付とサイン入りで確定され、後で改ざんできないようにすることをデータの固定という。

09/16
論文掲載(臨床試験:アトピーのかゆみ軽減) ―序・背景―

我々の研究論文が掲載された際、気分が乗れば解説ブログを書いて来ました。
気分が乗れば...、です。
ややこしい研究内容をわかり易く説明するのが至難の業だからです。

それに、掲載された時点では、私の気持ちは既に次のステップに向かっているので、
テンションが上がらないのです。
掲載される時は、受理されてから数ヶ月経っている場合が多いので。

ただ、今回はちゃんと書いておきます。
「今回は」と掲載されたばかりのような表現をしましたが、すいません。
実は8月号に掲載されたので、一ヶ月半さぼっていたわけでありまして...。

さて、本題
ビフィズス菌LKM512の臨床試験の結果をまとめた論文が、
米国アレルギー・喘息・免疫学会(※)の機関誌
Annals of Allergy, Asthma, & Immunology
に公開されたのです!

※この学会名の日本語訳は自信なし。
American College of Allergy, Asthma & Immunologyのことですが、
日本語訳がないかとインターネットで調べていたら、
上記の日本語訳をしているページが複数見つかったので使用しました。
1942年に設立され、米国中心に約5500名のアレルギー、喘息や免疫の研究をしている医師・研究者が所属している学術組織です。

今回は、いつもの腸内細菌の産生物がどうのこうのって、ややこしい話ではなく、
基本的な結論は極めてシンプルでわかり易いはずです。

タイトルは
Anti-pruritic effects of the probiotic strain LKM512 in adult patients with atopic dermatitis
成人型アトピー性皮膚炎におけるプロバイオティクスLKM512のかゆみ抑制効果

わかりやすいでしょ!
2014091601.jpg


我々は既に、2007年に慶応大学医学部と実施した小規模臨床試験でLKM512入りヨーグルトが成人型アトピー患者に有効であることがわかっていました。

その内容はClinical & Experimental Allergyというジャーナルに掲載されていたのですが、
これを読まれた著名なアレルギーの専門医の先生(今回の臨床試験の責任医師である用賀アレルギークリニックの永倉俊和先生)が、ご自分の患者さんで試されて、
「これ、たぶん本当に効くから臨床試験をやりませんか? 
1年間で劇的に治った患者がいるんですよ。
長年診て来た女性で、酷い症状で元気もなかったのだけど、
LKM512を摂り始めたらみるみる回復し、性格もどんどん明るくなり、
恋人ができて、気が付いたら結婚して、もう病院にも殆ど来なくなりましたよ(笑)。
LKM512だけの効果とは信じられないけど、
実際、それ以外の治療法は変えていないので。
長年の経験からいうと、効く人には効くよ~、これ。」
と連絡を下さったのがスタートです。

殆どのアトピー性皮膚炎に有効といわれている食品は、
臨床試験できっちり効果判定がなされていません。
このような状況で、怪しい商品が沢山ある中、
やるなら徹底的にと、
医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(Good Clinical Practice: 略してGCP)に準拠して極めて厳密な条件で試験を行ったのです。


そういうわけで、明日から数回にわたり、わかり易く解説します。
とはいえ、明日以降の原稿は全く書いてない~。
しんどいな~。

           
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