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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

09/17
論文掲載(臨床試験:アトピーのかゆみ軽減) ―方法等―

昨日の続きです。

ヒトで実施する試験を臨床試験といいますが、
数名に試験食を食べさせて「血圧を測定したら下がった、ラッキー!」
というようなレベルの試験もこの範疇に含めるとしたら、
臨床試験はピンからキリまであると言えます。

今回我々が実施したのは
「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(Good Clinical Practice: 略してGCP)に準拠した試験系です。
ここ大事です。
めちゃくちゃ大事です。
つまり、薬の開発のための試験(治験ともいう)と同様の試験を食品で行ったわけです。
(GCPに関して詳しく知りたい方は厚生労働省のホームページに詳しく且つわかりやすく書いてありますので参照して下さい。)

GCPに準拠しておりますので、
この試験は公の治験データベースに試験前から登録しております。
これはネガティブ(都合の悪い)データが出た場合、隠さないようにするためです。
ちなみに、本研究は大学病院医療情報ネットワークUniversity Hospital Medical Information Network(UMIN)臨床試験登録システム(http://www.umin.ac.jp/ctr/index.htm)に登録されています(ID:UMIN000005695)。

さらに、
試験依頼者(私)と実施病院(医者)および被験者との間には
それぞれ治験コーディネーターが入り、
さらに独立した統計解析者が入り(※1)、
厳正な効果判定を行うのです。

ですから、
殆どの食品企業が行っている通常のヒト投与試験とは、
ズバリ、重みが違います!

私の知る限り、GCPに準拠した臨床試験を実施している食品企業は殆どありません。
殆どが、自社研究員と医者のみで完結するタイプの臨床試験です。
独立したコーディネーターや統計解析者が入らないので・・・。

これ以上書くと暗殺されそうなのでストップ

本試験には、昨日紹介した用賀アレルギークリニックの永倉俊和先生をはじめ、
主旨を理解して下さった先生方が協力して下さいました。
最終的に8医療機関、合計44名の中程度以上の成人のアトピー性皮膚炎患者で実施しました。
私が知る限りでは、この試験は、過去に世界中で行われた成人型アトピー性皮膚炎の臨床試験(論文化されているものに限る)で、最も被験者数が多く、最も参加機関が多い試験です。

試験は二重盲検並行群間試験で行いました。
ややこしいですが
LKM512粉末(試験食)を8週間摂取するグループ と
LKM512が入っていない粉末(プラセボ)(※2)を8週間摂取するグループ
の比較です。
また、被験者は自身がどちらの食品を摂取しているかわかりません。
当然、判定する医者もわかっていません。
『被験者も試験者もわかっていない』 = 『二重盲検』
という事です。
どの被験者がどちらの試料を摂取していたかは、
全てのデータが固定(※3)されてから、
キーオープン(割り付け情報の開封)の儀式にて初めて明らかになるのです。

20140917.jpg
これは、その固定されたデータ達。
段ボール一箱分あります。

つづく。

※1 昨年来、世間を騒がせている高血圧治療薬ディオバン(ノバルティス社)事件は、この統計解析者にノバルティスの子会社であるノバルティスファーマの社員が身分を秘匿して統計解析者として関与しデータ操作などをしたとされる一連の不正事件である。
※2 「LKM512がアトピーに効く」と思い込むだけである程度の効果が得られるため、この効果を差し引くための有効成分が含まれていない食品。偽薬ともいう。
※3 各被験者のデータは日付とサイン入りで確定され、後で改ざんできないようにすることをデータの固定という。

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