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協同乳業研究所

09/08
漢方薬と腸内細菌

殆どの漢方薬は薬効を発揮するのに腸内細菌が必要というのはご存知ですか?

多くの漢方薬の成分は生薬(ショウヤク)といわれますが、この主成分である配糖体は、胃でダメージは受けず、
腸管の粘膜を通過することもなく、
またヒトの消化酵素に分解されることもなく、
そのまま小腸の下部から大腸まで到達します。
そこで腸内細菌により分解され、初めて薬効成分(薬として効果を発揮する成分)の形になり、吸収され効果を発揮するのです。
配糖体は効き慣れない単語だと思いますが、簡単に述べますと、
糖と糖以外の物質がくっついた化合物のことです。

例えば、多くの漢方薬(生薬を混合したもの)に含まれる甘草(カンゾウ)。
「カンゾウエキス配合」なんてCMも聞いたことがあるでしょう。
これは甘草に含まれる配糖体のグリチルリチンが、腸内細菌により薬効成分グリチルリチン酸に分解されて初めて吸収され効力を発揮するのです。
葛根湯でおなじみの葛根や、有名な薬用人参(朝鮮人参)も同じで、それに含まれている配糖体が腸内細菌により分解されて初めて効力を発揮するのです。

ですから、これらを分解できる腸内細菌がおなかの中に棲んでいないと、漢方薬をいくら飲んでも効かないのです。
「漢方は人によって効果が異なる」というのは、腸内細菌に原因があるのですね。
腸内細菌は個人差が非常に大きいので。

残念ながら、この漢方薬の配糖体にはこの腸内細菌がいれば良いというのは、まだまだわかっていません。
研究している人はいるのですが数は非常に少なく、薬学系の方が殆どで腸内菌叢の知識が乏しいことに原因があると思います。

忙しくて疲れた時や体調不良の時に栄養ドリンクに頼りたくなることがあるでしょう。
その場合、"朝鮮人参○○mg"とか書いてある高価なものの方が効くような気がします。
しかし、腸内菌叢によっては、飲んでも効果が無いかもしれませんよ~。
高価な朝鮮人参を分解できずに垂れ流し~ってことですね。

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