09/29
心と身体

マウスやラットを強制的に拘束して水につけると(首から下を水面下に浸ける)、
そのストレスで、たった30分間で胃潰瘍ができる。
ストレス負荷モデルとして、一昔前は頻繁に研究で使われていたが、
現在は動物倫理の問題で、なかなか行うことが難しくなった実験である。

14、5年前に初めてこの実験を行った時、
たった30分間で血がにじみ出ている悲惨な胃の粘膜を自分の眼で見て、
ストレスの恐怖を認識した。
「ストレスが病気を生じさせる」
という漠然とした知識が、一瞬にして認識に変わった瞬間である。

一昨日、昨日と、過度のストレスを受けた。
外出続きで、久しぶりに会社に来たこともあるが、
つまらんミスの報告やイライラする連絡が連発で私を襲ってきた。
数および質、共に酷かった。

結構なストレスを受けたのだろう。
午後2時ごろには、体の節々が痛くなり(色々な場所で炎症が生じたのか?)、
午後6時ごろには、座っているのもしんどい状態。
抗ストレス物質ポリアミンを腸内で製造しようと、
LKM512ヨーグルトとアルギニンを摂取して、
午後9時半に就寝。

とりあえず、今朝は元気とはいえないが、普通に仕事ができるまでに回復した。

09/27
新宿ウォーキング

週末に新宿の街をおしゃれに散策していたかのようなタイトルであるが、
もちろん、そんな趣味は持ち合わせていない。
むしろ、私は都心の人混みの中を歩くと酔ってしまう体質である。

週末は出張。
行先は長野県飯田市。
不便なところで、東京からだと高速バスが最も便利で早い交通手段である。
長野県に6年間住んでいたので、十分に理解していた。
ただ、新宿の高速バスターミナルは「バスタ新宿」というJR新宿駅南口の新しい建物に集約されていたことは知らなかった。
(独り言:何でも略したらよいというものではない。)
地図で確認する限り、私が到着する西武新宿駅からはJR新宿駅を挟んで真反対に位置し、結構歩かねばならない。

とはいえ、同じ新宿駅。
迷っても15分間位で着くと考えていた。

ところがどっこい、
そもそも私自身が新宿駅の改札の外を歩く機会が殆どなく、土地勘がない。
電車を乗り換えるため下車することはあっても、改札を出ることはまずない。
見覚えがある景色のような気もするが、
3分も歩くと、なんだかよくわからない...

雨だったので、地下街での移動を試み、余計に方向感覚を喪失し混乱。
ついに迷子。
迷って迷って、最終的には周囲の人に聞いて、挙句の果てに雨の降る地上を歩き、
30分間かかってやっと着いた。

帰りはもっと酷かった。
「往路で来た道を戻るだけ」と考え、
5時間のバス移動(渋滞にはまる)で固まった体をほぐすかのように、
速足で意気揚々と歩き始めたが、5分間ほどで、案の定、迷子になった。

来る時に迷ったのだから、その通り戻るという試みは無謀である。
(もちろん、そんなことは歩き始める前からわかっていたが、敢えて挑戦したわけである)

小田急線や京王線の新宿駅は出てくるのに、西武新宿駅は標識すら出てこない。
着くまでひたすら歩くこと45分間位。

JR線に乗り、高田馬場駅で西武線に乗り換えていたら、
既に自宅の最寄り駅に着くタイミングである。

おかげで、おケツが汗疹になった。

恐るべし、新宿駅地下街。

09/23
2016年度版 野菜作ってます11

秋冬野菜の植え付けを本格的に開始しておりますが、
天候不順で生育はよくないです。

ただ、それ以上に困った不思議な現象が起こっております。
ダイコンが枯れるのです。
芽は出るのですが、しばらくすると黄変して成長しなくなり枯れるのです。

20160923-1.jpg

このような現象は、畑を始めて5~6年間経ちますが初めての現象です。
春まきと秋まきで少なくとも10回以上は大根を育てていますが、

ただ、1.5m位離れた場所のダイコンは枯れない...。

20160923-2.jpg

色々考えるわけですが、
台風で川が氾濫した時の濁流が関連していると推測しています。
枯れるダイコンのエリアは、出所不明の土砂が多量に流れ着いておりました。
おそらく、pHが違うのか(酸性がアルカリ性に偏った土)、
生長阻害が起こるレベルの栄養素が含まれていた土が混入したと考えています。
適量を超えた肥料もリスクで、ダイコンはあまり肥料はいらない野菜ですから。
10年単位で土壌を作る農業は、土壌の流出も痛いですが、混入も痛いです。

生き残った長ナスは、息を吹き返しました。

20160923-3.jpg

That's 秋ナス!
何故か、異常に細長くなる現象が起きておりますが(笑)。

「成す」という意味に繋がり縁起が良いといわれているナス。
長ナスを食べて、
長~く続けてきた研究を早く成し遂げたいと思います。

09/20
動物種を識別する検査製品

研究試薬の代理店の方から、色々と新商品を宣伝されることも多いが、
先日、動物種を識別するプライマーセットというものを紹介された。
要するに遺伝子を使って動物の種類を識別するための実験ツール製品である。

何のために動物の種類を見分ける必要があるのか?
動物に詳しくない人にとっては、チーターとヒョウの区別は難しいかもしれない。
そういう方のために、遺伝子で識別できるように・・・
いえいえ、生きている動物の種類を識別することを想定されたものではない。

と、その前に、プライマーセットとは何ぞや?という方のために超簡単に説明。

プライマーとは、遺伝子の特定の部位(配列)を増幅させるために必要なもの
である(端折り過ぎているかもしれないが間違いではない)。
刑事ドラマで、毛髪などを用いてDNA鑑定を行う場面があるが、
そのためには毛髪に含まれる僅かなDNAを観察できる量まで増やす必要がある。
このDNAの増幅作業は、プライマーを使って行われる。

本題に戻そう。
これは主として食品の品質管理や検査業務に用いられるものであった。
何に使うか?
要するに異物混入の検査である。

例えば、牛肉として販売されているミンチ肉に、
豚肉ミンチが混入されている疑いが生じた場合、あるいは念のため検査する場合、
その肉からDNAを抽出して、この豚遺伝子に反応するプライマーを使って検査する。
もし、豚特有のDNAが増えたら豚肉が混入されているという動かぬ証拠となる。

あるいは、何かの毛髪が混入していた場合、
何由来の毛なのか、知る必要がある場合も多い。

個人的には、最終商品には何由来の毛が入っていてもよくないわけで、
どの動物由来の毛なのかを知る必要が何故あるのか、少々謎であるが、
おそらく原因究明などに必要なのだろう。
あるいはお客様に納得して頂くためには、そこまで調べる必要があるのだろう。

パンフレットには、
牛、豚、馬、羊、山羊、鶏、兎、犬、猫、ドブネズミ、ハツカネズミ、クマネズミ
と書いてあった。
牛、豚、馬、羊、山羊、鶏は食材。
兎、犬、猫はペット(微妙に兎は食材カテゴリーかもしれないと思っている)。
ネズミ達は害獣扱いであろう。
いかにも品質管理分野らしい表記方法である。

私の分野だと、
ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、ウサギ、イヌ、ネコ、マウス、ラット、クマネズミと表記する。

実験でお世話になっているマウスとラットを
ハツカネズミとドブネズミとは決して表記しない。

クマネズミは、生命科学系の研究で使われることはなく(少なくとも私は知らない)、
これまでこの単語を書いた(タイプした)経験はない。

熱く説明されたが、私のところではこれは絶対に使わないよと一蹴しておいた。

09/14
朝から録画大相撲を見て...(秋場所3日目)

稀勢の里、今場所の横綱昇進は風前の灯状態になってしまいました。
国技館の重苦しい雰囲気、多くの稀勢の里ファンのお気持ちをお察しします。
私も応援していない訳ではありません。
・・・

栃ノ心関、銀星おめでとうございます!

160914.jpg
˙˚ʚТомоyоɞ˚˙(@paozousanpao)より頂いた写真

客観的に、あの程度の変化は、「あり」でしょう。
もちろん褒められたことではないでしょうが。
大関に挑戦する平幕という立場。
変化を全く想定していない立ち合い、それを凌いだ後の慌てた雑な攻め、
これらが横綱を狙う大関としては残念なものであったことが責められることでしょう。

贔屓目には、あの変化は「大あり」です(笑)
渡し込みには執念を感じました。
まぁ、師匠に少しチクリと言われているかもしれませんが...。


以上、朝飯食べながら思ったことでした。

09/12
2016年度版 野菜作ってます10

台風被害で落ち込んでいる場合ではありません。
秋冬野菜の準備が大忙しの時期ですから。

と書きつつ、本日紹介したいのは濁流に負けず元気いっぱいの空芯菜(クウシンサイ)。
名前は聞いたことがある、或いは中華料理で食べたことがあるとはいうものの、
どんな形状の野菜なのか、ましてや畑で生育している姿は知らない方が殆どではないでしょうか?
これです。

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茎が空洞だから空芯菜。
ほうれん草を上回る栄養価があるらしく、
その上、夏場は葉物野菜が収穫できないため、結構役立つ野菜です。

切ると直後に白濁した液がジュワーっと染み出てきます。
10~20秒程で滴が垂れるほどになります。

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調べても、この白濁汁の役割や成分はわかりません。
(本業の研究のように専門誌の文献まで調べてはおりませんが。)
私はこの液体で傷口を塞ぎ、病原菌等の侵入を防いでいると推測しています。
下は、茎が白い液で封をされた状態です(節があるので溜まる)。
「治療完了」 そんな風に見えませんか?

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この汁のおかげで、収穫後は手がベトベトになります。
かぶれる様なこともなく、臭くもなく、洗い流せるので殆ど問題ありません。
逆に、生命を感じることができ、
生き物を頂いている(食している)と気付かせてくれる数少ない野菜に思えます。

また空芯菜は、地面を這うように伸びた茎から根が伸びて、
どんどんと生育エリアを拡大し、必然的に葉数というかボリュームが増えます。

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上の写真は、収穫で茎を切ったが(左端)、その近傍から根が生えて、
さらにその場所から脇目が生じて伸びている(左上に伸びる2本の茎)様子です。
根を見せるために、少し引っこ抜きました。
こうなると、本体(右側にある)から切り離しても、
何もなかったかのように別個体として育ちます。
ここでも強い生命力を感じます。
もし放置していると、1畳分、2畳分と際限なく広がって増えていきます。

最後に、大人の事情で混乱する空芯菜について示します。
私は、この野菜を馴染みのある空芯菜と呼び、ブログで書いています。
ところが、この名で種子や野菜が流通することは殆どないようです。
この呼び名が商標登録されているからです。
ヨウサイ(蕹菜)、アサガオナ(朝顔菜、花が朝顔に似ているから)など、
別の呼称で流通しているようです。
なぜ、個人あるいは個企業が、
中国で普通に使われている空芯菜という単語を商標にできるのか謎ですが、
専門外なのでよくわかりませんし、あまり知りたくもありません。

ただ、ホームセンター等で種が見つからないようなことも起こるので、
この野菜に興味を持たれた方は、覚えておいた方が無難です。


09/09
2016年大相撲九月場所が始まります

2016年大相撲九月場所が日曜日から始まります!

今場所は、この幟を揚げています!

160909.jpg
Twitterで ˙˚ʚТомоyоɞ˚˙(@paozousanpao)より頂いた写真

少々関係ない話ですが、
この謎のキャラクター(LKM君)が描かれた幟は外国人に人気があるらしく、
研究関係者から、
「外国人の知人が博士の会社の幟の前で写真撮ってFacebookに載せていたよ」
と知らせて頂いたこともあります。
確認してみると本当でした。
ビックリです。
世間は狭いというか...

さて、
白い横綱、休むようですね。
その分、優勝争いは面白くなることでしょう。

豊ノ島も全休だそうです。
幕下転落確定になるとのこと...。
厳し過ぎる世界です。

安美錦は出場するようですね。


春日野勢は初日から横綱、大関戦が組まれております。
鶴竜 ― 栃煌山
豪栄道 ― 栃ノ心

では、大相撲ファンの皆様、15日間、楽しみましょう!

09/08
微生物繋がりで訪問した先は泡盛の老舗(後編)

前回のつづきである。

キラキラネームの技術者の方が新商品として最近開発されたのが
「瑞泉King10年古酒」

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(これも頂いてしまった!)

「泡盛はアルコール度数が高くてロックで飲むのはきつい」
という方のためにロックでも飲み易い泡盛をコンセプトに開発され、
10年熟成された古酒で作った商品。
それでもアルコール度数は30度ある。
さすが泡盛...。
ロックで飲むために開発したと熱く説明されていたのに、
開発者の一人であるキラキラネームさんは、
何故か途中から炭酸水割をやたらと薦めて来られた。
謎である。
自宅に帰りやってみたが、確かに美味かった!
改めてホームページで調べても、ロックがおすすめと書いてある...。
この日、教えてもらわなければ、おそらく一生試さなかった泡盛の炭酸水割。
プロに公表していない秘密の飲み方を教えてもらったような特別感があり、
なにやら得した気分に浸ってしまった。

突然訪問して頂きものばかりでは申し訳ないので、
殆ど本土には出回っていないという「おもろ10年」を購入した。

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これは、もったいないのでまだ開封していない。
泡盛は、このまま室温で放置していても熟成していくそうだ。
酒は生き物である。
つまり、5年放置しておけば、1ランク上の「おもろ15年」になるのかもしれない。
甕熟成ではないので、おそらくその規格には達することはできないのだろうが...。
一応コメントしておくが、セコい意味でこういう発想をしているのではない。

その日は、何種類も泡盛を試飲させて頂いたこともあり、
少々酔って調子に乗って「後日、ヨーグルト贈ります!」
と言って瑞泉酒造を後にした。


「お礼は豪快に!」
相手が思っているレベルを超えるお礼をしたいものである。
私は、1万円近くの大量のヨーグルトを自社通販で購入し瑞泉酒造に贈った。
普通の家庭なら冷蔵庫に入り切らない量である。


1週間後、今度は色々な種類の泡盛ベースのリキュール類を頂いてしまった。
お礼へのお礼で恐縮してしまう。

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左から、
沖縄黒糖使用梅酒
カーブリキュール(沖縄の柑橘類の一つである「かーぶちー」が入ったリキュール)
宵の紅茶(沖縄県産紅茶葉を使用したリキュール)
瑞泉パッション梅酒「パッショナブル」(梅酒とパッションフルーツのリキュール)
南の島の梅酒(梅酒にシークヮーサーとはちみつが入ったリキュール」

味の想像ができないものが多いが、それは頂く時のお楽しみである。
既に頂いた両端の2本は美味しかった。
それこそ炭酸水割が良い感じで、かなり飲み易かった。
特に女性は大好きな味と思われる。
通販で購入できるので興味がある方はお試しあれ。

微生物繋がりの縁は、微生物が造り出した最終商品の交換で第一幕を閉じた。

実は、来年5月に沖縄で開催される学会のシンポジウムで講演を頼まれている。
学会期間中に時間があえば、第二幕として泡盛でも飲みながら、
熟成について、もう少し教えてもらいたいものである。

09/05
微生物繋がりで訪問した先は泡盛の老舗 (前編)

先日(といっても約2ヶ月前)、沖縄に招待され講演した時、新たな出会いがあった。

沖縄には大学の剣道部の後輩がいる。
那覇出身、那覇在住の後輩の名はヨシトヨ。
彼は私が4年生の時の1年生である。
20年前の体育会系剣道部であると伝えれば、我々の関係は想像に難くないであろう。
王様と奴隷(笑)
とはいえ、私は比較的優しい先輩であった自信はある。

私が沖縄に行く際は、とりあえず彼に一報を入れることにしている。
ヨシトヨ君は、私のスケジュールに合わせて時間を作ってもてなしてくれる。
先日は、帰りのフライトまでの時間に、
首里城付近の知合いの所に車で連れて行ってくれた。

着いてびっくり!
道路脇に『瑞泉(ずいせん)』と看板が出ていた。

ヨシトヨ君曰く、「微生物繋がりなので良いかと思いまして」

車を降りて近づくと、琉球泡盛の老舗の雰囲気出しまくりの年季の入ったシーザー像と看板が私を迎えてくれた。

160905-1.JPG

関東地方に泡盛を扱う居酒屋は多数存在するが、
瑞泉は、かなり高い頻度で店に置いてある泡盛ブランドの一つである。
私の脳内にインプットされている泡盛ブランドは、瑞泉と久米仙のみである。
当然、何度も飲んだことがある。

この黄色いマークをみれば思い出す方も多いのでは?

160905-2.JPG
(お土産に頂きました!)

なんと、連れて来てもらったのは瑞泉酒造の本社兼工場であった。

ヨシトヨ君は、中にズカズカと遠慮なく入って行く。
そして「中を見せてもらいます」と見学コースのような所に入り、
勝手にビデオを流し始める。
社長が小学校か中学校の同級生らしい。

残念ながら社長さんは不在だったが、
会長さんや、技術者さん(凄くキラキラネームであったのが印象深い)とはお話できた。
「ウンコの中の微生物の研究している先輩」と紹介されたが、
戸惑われることは殆どなかった。
さすが「微生物繋がり」である。

泡盛はタイ米(インディカ米)で作る酒だと初めて知った。
古酒の定義とは?
同時に熟成についても色々学んだ。
泡盛の甕は、ウィスキーの樽と同じよう熟成の風味づけに重要と理解できたが、
甕により味が変わるメカニズムまでは時間も足りず理解できなかった。

やはり、酒は奥が深い。

そして、微生物が繋ぐ縁も奥が深い。

09/01
地理で覚えた首都名が役にたった日

おそらく中学生の頃、世界の国々の位置と首都名を覚えたことであろう。
地理の先生が厳しく、徹底的に覚えた記憶があるが、
今、場所と首都名がきっちり答えられるかといわれると自信はない。
6割位であろうか?
正直、自分が渡航する国なら勝手に覚えられだろうし、
日常生活ではほぼ不要な知識と思っていた。

さて、先日、都内から電車に乗っていると、
色黒で明らかに外国人の若者が周囲に何かを尋ねていた。
日本語が上手くなく、何を言っているか正確に聞き取れず、
皆、必死で彼から逃げている状況。

4年後、この都市の市民はオリンピックで来日した外国人の方々に対応できるのだろうか・・・

と思っていると目が合った。
近づいて来て、同じようなことを言われたが意味不明。
で、得意ではないが英語で聞いてみた。
すると、驚いた顔で、自分の降りる駅は通り過ぎていないかと質問してきた。
まだ、通り過ぎていないことを伝えると安心した様子。
隣席の乗客が駅で降りたら、彼は私の横に座り話しかけてきた。

英会話の練習と思い、私も話すことにした。
その若者は都内の有名私立大に通う留学生で、日本に来て3週間であった。
まだ殆ど日本語は話せない。
出身はスリランカ。

さて、皆さん、スリランカの位置はすぐに出て来ますか?
インドの南東の島、いわゆるセイロン島を国土とする国である。

私がスリランカで思いつくネタはたった一つ。
長い首都名である。
スリジャヤワルダナプラコッテ
長過ぎて、完璧に覚えている。

そこで、「君の国の首都名は、なぜ、あんなに長いのだ?」
と聞いてみた。
すると、怖い位に目を輝かせ大喜び。

来日して3週間、
スリランカといっても国の場所すら知らない日本人が殆どであったのに、
あのややこしい首都名をスラスラと話す日本人は初めだったと思われる。
さらに、ちょうど私が地理で習った年の前年か前々年に、
コロンボからスリジャヤワルダナプラコッテに遷都されたと思えていたので、
「1985年か1984年にコロンボから首都が移動したでしょ?」
と伝えると、驚きまくる若者。

27~28年前に中学校の地理の授業で覚えたと伝えたが、
私の英語力の未熟さもあり、
27~8年前に私がスリランカの中学校に通っていたと誤解したところで目的の駅に到着。

最後に、「これからタイフーンが来るから気をつけろ」と教えて熱い握手をして別れた。

意味がないと思っていた首都名記憶が国際交流に役立った初のケースであった。