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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

02/14
先日発表した論文(Scientific Reports)解説します⑥ ―結果と考察―

CE-TOFMS解析は共同研究先のヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ㈱にお任せして、しばし気楽に結果を待ちました。

で、1ヶ月程して出てきた結果にびっくり。
なんと、きっちりと成分が同定できたものだけで179成分が検出されました。
「こんなにたくさんの成分が一度に検出できるの!!!!!!」
かなり興奮したのを記憶しております。

これまでは、「成分Aは検出されたかな?」という感覚だったのですが、
「何や、この聞いたことない成分は?これも、あれも、あっ、成分Aは知ってる」
という感覚です。

しかし、1日、2日、3日...、日が経つにつれて、このデータをどう解釈するのかわからなくストレスが溜まってきました。

只々、唖然...、茫然...、ウンコする度に思い出し、憂鬱になってきます。
で、開き直って、そもそもこんなに成分が検出できたこと自体が世界で初めてなんだから、
わかったことをドンドン羅列しようと考えました。

①無菌マウスと通常菌叢定着マウスの代謝産物を比較すると、
全く異なることがわかりました論文の図の1aとb。

誰でも予測できることですが、データが示されたのは初めてで、見事に差があります。
腸内常在菌が大腸の中で色々な物質を産生あるいは吸収しているということの証明です。

②実は餌もメタボロミクス解析を行いましたので、それとも比較しました
論文の図の1c。

餌からは驚いたことに250成分が検出されました。
飼料会社もびっくりでしょう。
その内、131成分は大腸内容物からも検出されましたが、残り119成分は検出されませんでした。
つまり119成分は小腸で栄養として完全に吸収されたというです。

③各成分の濃度を無菌マウスと通常菌叢マウスで比較しました。
その結果、123成分が腸内常在菌の存在の影響を受けていることがわかりました。
多くなった成分と少なくなった成分がありますが、ややこしいので続きは明日。

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