04/03
ポリアミン本の中味(後半)

つづき。
今日も妥協しまくり、一般の方がわかるように簡単に紹介します。
そして、読むのが嫌にならないように、極力短く書きます。

Part 5は、生存(サバイバル,生き残り)に関わるポリアミンの役割についてです。
特に植物のストレス耐性は研究されており、高温や低温下ストレス、塩ストレス等に対する防御へのポリアミンの関わりが詳しく書かれています。

Part 6は、ポリアミン輸送系について書かれています。
わかっていないことが多いですが、既に知られている大腸菌や植物のポリアミン吸収や放出に関わる輸送系タンパク質について詳細に説明されています。
我々がやっている腸内細菌がポリアミンを作るメカニズムとも直結している分野です。

Part 7は、ポリアミンの二次代謝物と書けばよいでしょうか?
私も門外漢のため、この本で初めて知ったのですが、ポリアミンから色々な面白い物質が作られているようです。
植物のアルカロイドやクモやハチの毒まで・・・

Part 8は、イオンチャネルとポリアミンの関わりについて書かれています。
イオンチャネルってね~ 一般の方への説明が難し過ぎる。
一言で表現すると、細胞の膜にあるイオン(カリウムとかナトリウムとかカルシウム)を選択的に通すタンパク質です。イオンのみを通す専用の極小の穴が細胞の周囲に点々と存在すると考えてもらえば良い。
このイオンの輸送にポリアミンが関連しているということです。
(殆ど、イオンチャネルの説明になっとるやんけ)

Part 9は、お待たせ、私が書いたところ、ポリアミンと長寿について。
これは我々のホームページの方が詳しいのでそちらを見て下さい。
この本では植物の長寿に関しても紹介されています。

Part 10は、診断や薬剤標的としてポリアミンです。
ある種のガンには珍しいポリアミンがマーカーとなる、要するに血中や尿中のそれを調べれば癌の診断に応用できるかもって話などです。
感染した寄生原虫の退治に彼らのポリアミン合成系を標的とした治療法の開発に関しての話もあります。

以上。

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疲れましたが、ポリアミンが幅広い機能性を持っており、幅広い分野の研究者が興味を持っていることが分かって頂ければ書いた甲斐があったと思いますが、如何でしたでしょうか?

詳しく知りたい研究者の方には浅過ぎる内容紹介でしたでしょう。
是非、自分で購入して読んで下さい。

私は記念すべき洋書1冊目ですし、自宅に置いておくので、
頼まれてもお貸しできません。
但し、著者割引で購入のお手伝いはできますので、
購入したい方はお声かけ下さい。