09/02
引用されとる

最新の特定の研究分野の状況を理解するには、一定以上のレベルの科学ジャーナルに掲載されているレビュー(※)を読むのが一番である。

※レビュー(review)とは、論評、批評記事等が一般的な意味であるが、研究の世界では、特定の研究分野の最近の動向を様々な文献を引用してまとめたものを意味する。日本語では総説と表現すると思われる。

4月にビフィズス菌LKM512とアルギニンによる加齢時の学習記憶力の増進させる論文が掲載されたところであるが(知らない方はこれを参照)、
実はこの論文はリジェクト歴が少々多く、本気で執筆していたのは1年半以上も前になる。
つまり執筆のために真剣に最新情報を集めていたのは遥か1年以上前のことであり、
この1年間は最新のアンチエイジングの情報を入手していないことになる。
少し不安だったので、レビューを探してみた。

これを読んでみよう!
と思ったのは、超一流ジャーナル・Cellのレビューである。
3大誌、ネイチャー、セル、サイエンスの一角を担うCellである。

タイトルは
The search for antiaging interventions: From elixirs to fasting regimens
これを訳すのは難い。
「アンチエイジングに関する介入研究の調査:不老不死の霊薬から絶食まで」
とでも訳せばよいのでしょうか? わからん。

ゆるく読み進めて行く(わからない単語があっても調べず、力まず読み進める)と、
アッとびっくり w(*゚o゚*)w
私の論文が引用されているではないか!
2014090201.jpg
2011年にPLoS Oneに掲載された論文である。
ビフィズス菌LKM512をマウスに約1年間投与し腸内のポリアミン濃度を適正化することで寿命が伸びたことを報告した内容。
テレビニュースでも紹介され、ほぼ全ての新聞にも掲載され大騒ぎになった。
当時のリリース
「Cellのレビューに引用されるとは、オレの研究もメジャーになりつつあるな!」
と少し満足したのがいけなかったのか、
そこから先の論文読みは停滞している今日この頃である。