08/06
重いなー②

今日も猛烈な暑さの中野菜を収穫して、いつも通り「花子とアン」を見ようとしたら、
NHKは広島平和記念式典を中継していた。

早いものである。
昨年、「あまちゃん」の時も同じであったことを明確に覚えている。
昨年初めてじっくりと式典中継を見て、その心境をブログにした。
タイトルは「重いなー」⇒http://lkm512-blog.com/2013/08/post-621.html
今年も松井広島市長の言葉と被爆者の祖父・祖母をもつ小学生の言葉を重く受け止めた。
そして、昨年同様、その言葉を神妙な顔をして聞いている安倍首相の姿に
「ほんまにわかってんのか?」
という気持ちが沸いてきた。

今日は、わざわざ「重いなー②」としてブログにするつもりはなかったが、
小学生のスピーチの「小さなことから行動したい」という主旨の話を聞いて、
やっぱり書くことにした。

実は、5月に仕事で広島に行く機会があった。
昨年の式典が頭に残っていたのであろうか、金曜日の講演の後、土曜日の夕方の大阪での打合せまで時間があったので、午前中に原爆ドームと広島平和記念資料館に行って来た。
小学校の修学旅行以来、約30年ぶりであった。
感想は重いのでここで紹介しないが、私のケースのように小さい時に一度行った切りという方には、もう一度行ってもらいたい。
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これだけで終わると昨年と同じなので、少し違う視点の話を紹介する。

原爆の話になると放射能は完璧な悪者扱いされるが、科学の世界では、放射能を研究に有効に利用している例は少なくない。
私の専門の一つである微生物学と放射能とは全く関係ないように思われる方が多いだろうが、密かに微生物学にも利用されている。
細菌等を扱う際、これらの生物は目で見えないため、実験対象の菌以外の菌(すなわち雑菌:細菌もそれぞれ懸命に生きているためこの表現は嫌いではあるが、読者の理解を深めるために敢えて本ブログでは「雑菌」と表現する)が培地等に混入しないことは、正確に実験をする上での最低条件である。

従って、使用する実験器具は雑菌が完璧に除去されている必要がる。
この雑菌を完璧に殺す作業を滅菌という。
この滅菌に放射線の一つであるガンマ線が頻繁に使われる。
ガラス器具なら高温で長時間加熱したりオートクレーブ(高圧蒸気滅菌)で処理したりできるが、プラスチック器具は熱に弱く無理である。
しかもガンマ線滅菌は他の滅菌法と比較して安価である。

ガンマ線滅菌技術が存在しなければ、使い捨てプラスチック器具で作業することが多いウンコ菌の実験は、かなり大変な作業になっていると思われる。