12/07
大きなカブ(野菜作ってますシリーズ番外編)

「大きなカブ」という民話は殆どの方がご存知ではないかと思います。
ロシアの民謡らしいのですが、幼児用の絵本もありますよね。

畑にできた大きなカブをおじいさんが抜こうとするが引っこ抜けない。
おばあさんにも手伝ってもらうがそれでも抜けない。
その後、孫娘、犬、猫にも手伝ってもらうがそれでも抜けない。
最後はネズミが手伝ってやっと抜けて、万歳、万歳。
というお話です。
「うんとこしょ、どっこいしょ、それでもカブは抜けません。」
というセリフが繰り返され脳裏に残る話です。
娘が0歳児で保育園に入った時、最初の出し物(劇、お遊戯など)がこれで、
4-5名の0歳児が、保護者に抱きかかえられて、作り物のカブを
「うんとこしょ、どっこいしょ」引っ張る姿は非常にかわいかったのを覚えています。

ところで、この絵本を見たことありますか?
持っておられる方は是非見て下さい。
カブはどんな状態で生育していますか?
カブの肥大した可食部の8割以上、土壌中に埋まっていませんか?
これ、間違いです!!!!!
本当のカブが生えている姿をどうぞ。
20111207.JPG

可食部の大部分は、地表より上で生育します。
簡単にいうと、1本のひげの様な細い5-10 cmの根以外は
全て地表に出ていても育ちます。

幼児用絵本で嘘の絵を書くのは如何なものでしょうか?
「へー、こんなの知らなかった」という方は、
もしかしたら幼児時代のこの絵本の影響で、思い込まされているのかもしれませんよ。

ちなみに、1本の10 cm弱の根があるだけなので、
カブは最も引っこ抜きやすい野菜の一つです。
私が育てている野菜の中では断トツの一位です。
保育園で劇をやった娘(昨年6歳時点)でも、親指と人差し指で簡単に抜きます。

教訓を学ぶ民話なので作り話で構いませんが、もう少し抜き難い野菜を選ぶべきですね。
教訓と同時に、農学、作物学、植物学的には嘘を教えていますので (`ヘ´~)