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お世話になっている実験器具・機器シリーズ2 ―メスピペット Messpipett(プラスチック,ディスポーザブル)―

前回と同じメスピペットですが、プラスチック製のディスポーザブルのメスピペットを紹介します。
ディスポーザブル(Disposable)とは"使い捨ての"という形容詞ですね。
研究室では略して"ディスポ"って呼ぶことが多いです。
「ディスポのピペットまだ倉庫にあった?」
というような使い方です。
これはあまり中学校、高校、あるいは大学の学生実験でも使わないのではないでしょうか?

20110524.JPG
このように1本ずつ個包装されており、滅菌(ガンマ線などで完全に殺菌)されています。
ガラスと同様に色々なサイズがあり、適したものを使用します。
左から1 ml, 2 ml, 5 ml, 10 ml, 25 ml用です。
色分けされており綺麗でしょう。

これは細胞培養あるいは核酸(DNAやRNA)実験など、微生物学的あるいは化学的コンタミを絶対に避けなければならない実験に使用します。
口で吸い上げるのではなく(まさにコンタミの原因)、写真右側にある専用の機械(吸い上げボタンと放出ボタンが付いている)で液体を定量します。
そして名前の通り、1度の使用で捨ててしまいます。

これを使い始めると、便利で安全で安心で、何度も洗浄し繰り返し使うガラスピペットには戻れなくなります。
1本5-30円程度(メーカーとサイズにより様々)するので贅沢品で勿体ない気がするのですが、それは間違っています。

ピペットのコンタミによる実験失敗リスクが完全に無くなり、
洗浄の無駄(時間と水)が削減できるわけですから、
贅沢なようで、実はトータルのコスト削減には必須のものです。