カレンダー

カテゴリー

最新のエントリー

 

アーカイブ

2021年 2020年 2019年 2018年 2017年 2016年 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 2010年 2009年 2008年

検索

LKM512
メイトー
協同乳業研究所

09/15
6週齢の古いマウス事件から2年

日常の業務で、他人の成長を感じることがたまにある。
助手A♀の英語力も、私からすると奇跡的に成長している。

本部署では週に1度、メンバーの誰か1名がローテーションで文献を読んで紹介している。
今朝は助手A♀の当番で、それを感じた。

「こいつ、文献1報丸ごと読めるようになったんや~」
と、研究業の人には当たり前のことであるが、感慨深くなった。

彼女、この部署に異動して来た当初、脳ミソが腐っているのではないかと思う位に英語が読めなかった。
専門単語を知らないのは仕方ないが、そういうレベルではなかった。
中学生レベル?
辞書を使っても読めない。
心の底から「こまったな~」と思った。

仕方ないので、最初の半年間、ほぼ毎日、文献を少しずつ訳させて、
それを私がチェックする訓練をした。
1段落を訳すことができなければ、1文でよいので毎日読む訓練をさせた。
私の立場では、使えないスタッフは使えるレベルにまで鍛えて上げて戦力とするしかないので。

恐ろしいことに、最初の1報を読み切るのに、数ヶ月かかった。
その頃は、
6-week-old mice(6週齢マウス)を
6週齢の古いマウス
と訳すレベルであった。

「6週齢の古いマウス」と聞いて何か引っかかったが、すぐにはわからなかった。
「6週齢って若いマウスやけど・・・」
数秒後、week-oldのoldを「古い」と訳したと気が付いた。
2-year-old infant(2歳児)だったら、「2歳の古い幼児」と訳しているのである。
鼻水を激しく吹いてしまった。
後に、私が「6週齢の古いマウス」事件と名付ける程の衝撃を受けた。

助手A♀にしてみると、
営業から研究所に異動させられて、しかも大嫌いな英語が必要で、
ノイローゼになりかけていたかもしれない。

それから、2年程経ち、1報を自力で訳せるほどになったようである。
まだまだ訳すのに時間がかかっているようであるし、
詳細まで理解できておらず、あまい仕上がりではあるが、
「6週齢の古いマウス」事件の衝撃をまともに受けた私からすると、
『奇跡』と表現する以外にない。

前の記事< | トップへ戻る | >次の記事