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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

03/26
腸内常在菌が脳の代謝系に与える影響 ―実験方法編―

実験方法は非常にシンプルです。
腸内細菌が棲息しているマウスと棲息していないマウスの脳を比較するのです。

普通に生活していれば環境中の細菌が入って来ますので、
無菌アイソレーター内、すなわち全く菌がいない状態で生活しているマウスを使います。
このマウスを無菌マウスと呼びます。
もちろん、普段食べている餌も全て滅菌したものです。

この実験では、脳を調べるわけですから、遺伝的な影響もあるだろうと考え、
同じ無菌母親マウスから産まれてきた子供(同腹仔といいます)を使いました。
ここ、こだわった点です。

6匹の同腹仔を3週齢まで無菌母親マウスのお乳で育て、
4週目(乳離れ)の時に、3匹ずつ2グループに分けます。
一方には普通の環境で育っている(腸内細菌が定着している)マウスのウンコを経口投与します。
経口投与は固形のウンコをそのまま口に入れるのは困難なので、
生理的食塩水でウンコをドロドロ液状にして、
ゾンデ(先の尖っていない注射器のようなもの)を使って胃に直接入れます。

これで腸内細菌が定着しますので、これを通常菌叢マウスとします。
もう片方のグループはそのまま無菌の状態にしておきます。
それから3週間、両群共に別の無菌アイソレーター内で飼育し、同じ餌を食べさせます。

定着4週目(7週齢)、脳を取り出します。
これ、職人技が必要で大変なのですが、詳細は省きます。

この脳の抽出物を、私が時々紹介しているCE-TOFMSという機器を使って実施するメタボロミクスという技術で脳内の成分を網羅的に分析しました。

こんなシンプルな方法で、
腸内細菌が3週間定着するだけで脳にどの様な影響があるのかを調べたわけです。


つづく

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