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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

03/25
腸内常在菌が脳の代謝系に与える影響 ―解説忘れてました(笑)編―

約11ヶ月前(2013年4月)に公開された我々の論文ですが、
解説するのを忘れておりました。

Frontiers in Systems Neuroscience
という脳・神経科学(ニューロサイエンス)の専門誌に掲載された論文です。

「博士、ウンコの研究してるんでしょ?」
と多くの読者の皆様から突っ込まれそうですが、
はい、ウンコ研究の延長上に出てきたのです。

ウンコを触っていたら脳ミソに興味が出てきたというべきか・・・?

タイトルは、
Cerebral low-molecular metabolites influenced by intestinal microbiota: a pilot study
日本語では、
『腸内常在菌の影響を受ける大脳中の低分子代謝産物』
とでも訳せば良いでしょうかね。

私がこだわったのは、ニューロサイエンスの専門ジャーナルに掲載されること。
腸内細菌を扱うジャーナルに投稿すれば、受理されるのがわかっていますが、
ニューロサイエンスの分野にこだわりました。
何故なら調べているのは脳ミソの中味ですから。
それに、腸内常在菌の凄さを、この分野の方々に紹介する必要があると思ったのです。

ただ、その分、非常に苦労しました。
実験は半年位で終わったのですが、得られた膨大なデータ解釈できず・・・。
当たり前です。
私は15年間もウンコの中味ばかり調べる仕事をしていたので、畑違いも相当のレベル。
焼畑農業と野菜工場(建物内で土壌も使わず栽培する農法)との違い位でしょうかね。
結局、3年間位、気分が乗った時のみ考えてダラダラと執筆していました。
書いては消し、何か閃いては調べる、調べては書き直す。
やっとのことで受理されたというのが正直な感想です。

ところが、論文が公開されて1年間ほど経った最近、
この論文を読んだ人からの問い合わせがちょこちょことあるのです。
このジャーナルの編集部からは、2013年のインパクトのあった論文に選ばれ(基準は謎です。賞のようなものではないようなので、英語の長い説明をちゃんと読んでいませんが)、この研究を軸にこの分野の研究をまとめた総説の執筆を頼まれる状態。
狙い通り、少しはニューロサイエンスの分野にインパクトを与えられたのか?


そういえば、Yahooニュースにも載ったんですね~。
20140325.jpg


そういうわけで長い間忘れておりましたが、
明日から、数回に分けて簡単に内容紹介しようと思います。
結構中味忘れてしまっているので正直に述べると面倒なのですが・・・。


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