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メイトー
協同乳業研究所

06/06
ムネアカオオアリ(女王)

5月中旬の夜8時半頃、助手Aが
「これ廊下を歩いていたのですが、何でしょう? すごくデカいアリみたいなのですが?」
と、持って来たのはこいつです。
20120606.JPG


「おー、ムネアカオオアリ。しかも女王やん!!!」

その名の通り、胸から腹の部分が赤いアリで、
クロオオアリと並び、日本最大級のアリです。
朽木を好むため、開けた平地にはいないので知らない方も多いですが、山間部にはよくいます。
山登りをする人などは、登山中に木陰で休憩時などに見かけたことがあるのではないでしょうか?
私が、最も好きなアリの一つです。

体長2 cm弱、迫力のあるこのサイズは間違いなく女王です。

この季節、アリは結婚飛行を行うため、交尾直後の個体を捕獲したようです。
結婚飛行とは、交尾のため新女王候補とこの時だけ生まれる雄アリ(共に翅が生えて飛行する)が一斉に巣から飛び出し、別の巣の異性のアリと交尾をする繁殖行為のことです。
そして交尾できた新女王は地上に降り、翅を落とし、新しい巣になる場所を探すのですが、
そこを助手Aに発見されたというわけです。

つまり、翅アリが突然発生する時がありますが、それは結婚飛行の日なのです。
同種のアリが一斉に飛び出さないと交尾できないので、
アリの種により飛び出す条件が決まっています。
ムネアカオオアリの場合、5~6月の雨上がり直後、
しかも時間が昼過ぎから午後5時位の間のようです。
つまり、午前中雨が降り、昼過ぎから夕方に雨がやむ必要があるのです。
そんな都合が良い日が、この初夏の限られた期間に何度あるのだろうと不思議ですが、
その条件が厳しければ厳しいほど、
その地域で一斉に結婚飛行ができるというわけなのでしょう。

「これ、飼育したら働きアリを産んでおもしろいで。」
助手Aは「とろけるかぼちゃプリン つぶあんソース」のカップに入れて持って帰りました。

【捕獲時満足度】 9 (10点満点)
女王アリに限る。働きアリは4点。

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