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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

08/23
ほな、論文解説しますわ② ―方法―

研究で一番大事なのは方法です。
実験条件で結果が大きく変わることは容易に想像がつくと思います。

何かマーカー(例えば糞便中の成分や大腸の遺伝子発現など)を測定するための細かい方法での試行錯誤は、試料さえあれば何度でもやり直せるので大したことではないのですが、投与方法など計画段階でのミスは致命傷です。

最初に悩んだのは、マウスの匹数です。
匹数は多い方が信頼性は高くなるのは当然です。
「でも、数が増えれば増えるほど世話が大変になるー」
結局1群20匹にしました。
寿命の実験の知識が少なく、これは半分賭けでした。
実は、別の菌株も試したので(論文審査過程で、解釈がややこしくなるので余計なものはカットしろということでデータ化できませんでした)、100匹を超えるマウスでのスタートでした。

もう一つ、ヒトでの応用を視野に入れた場合、健康寿命を意識し始める30-40歳代から食べ始めて効果があることが大事と考えました。
つまり、多くの動物実験は乳離れしてすぐの若いマウスで投与試験が行われますが、これは非現実的な実験と考え、ヒト換算で30-35歳位にあたる10ヶ月齢のマウスからスタートする点にはこだわりました。

もう1点、私がこだわったのは、無理のないビフィズス菌LKM512の投与です。
大体の食品成分の動物実験は毎日投与を行います。しかもその殆どが過剰量で。
でも、そんなに実生活で続けられませんよね。
対症療法で「効いた、効かない」が実感できる食品ならまだしも、
寿命は、自分では「伸びた縮んだ」と評価できない、つまり、体感できないものです。
ですから、少なめに週3回の投与にしました。
基本的に「月、水、金」、用事がある週は曜日をずらし、週に3回を守りました。

菌数は体重1kgあたり約10億個にしました。
LKM512は大腸内で糞便1gあたり100-1000億個にまで増殖しますので(これは既に何度も確認しています)、摂取菌数は極端に少なくなければ気にする必要はないのですが、
1000億個を入れたカプセルは簡単に作れますので、体重100kgの方でもカプセル1個で摂取できる現実的な量です。

「まあ、これで結果が出ればラッキーや!」
と意気揚々と始めたのですが、しんどかったですね。
寿命の実験ですから、とにかく長期戦。
1匹ずつ、試料を測りとり、マウスを保定し、口から正確に投与していくわけですから、その労力は想像以上のものです。
20匹目位までは簡単なのですが、それ以降になると集中力が少しずつ欠けてくるのですね。
攻撃的で手強いマウスもいます。
大体2人で作業を行っていましたが、1人の時は気が狂いかけていましたね。
この他にも飲用水の交換、掃除などがありますので、午後1時にスタートしても午後4時から5時になっていました。
それが1年は続く・・・。盆も正月もゴールデンウィークも関係なく・・・。
先の見えない不安からくるストレス。

「こんな実験やってられん (×_×;)」
自分で計画しているため誰にも文句が言えず、嘆き悲しむ毎日でありました。

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