08/01
横綱刺亀虫

歴代の横綱にこんな四股名の方がいたというわけはありません。
大相撲ネタではありません。
本日紹介するヨコヅナサシガメを漢字で書いてみました。
この昆虫のことです(↓)

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翅の下の腹部が外側上方に隆起し白黒のまだら模様になっており、これが横綱の締める綱に似ていることからこの名が付いたと言われています。
カメムシ目カメムシ亜目のサシガメ科に属する、いわゆるカメムシの仲間です。
体長2 cm程度もあり、カメムシとしては非常に大きく、最大級のサシガメであることから横綱と名付けられたという説もあるそうです。

カメムシは尖った口で植物の汁を吸う虫です。
サシガメも同じく尖った口を持ちますが、肉食性で他の昆虫の体液を吸います。
つまり、サシガメとは"刺すカメムシ"の意です。
南米の方ではヒトから吸血する種もあります。
では、その"刺す口"を横からどうぞ(↓)

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かなり立派ですねー。
これで、主としてチョウやガの幼虫を刺して体液を吸うのです。
また、カメムシの武器である臭いも、私がこれまで経験した限り、出しません。
この個体は畑で見つけたのですが、先日紹介したオオタバコガなどから私のトマトを守ってくれているのでしょう。
但し、この種は1920年代に中国から入ってきた外来種なので、生態系への影響を考えると益虫として喜んでいるわけにもいかないのかもしれません。

どうですか?
何ともいえないこの配色とこの形状、気味悪く感じる方も多く、捕まえてみようとは思わないのではないでしょうか?
動きは速いとはお世辞にも言えず、その気さえあれば、簡単に捕まえられます。
でも、あまり触らない方がいいですよ。
あの口で刺されると、非常に痛いと言われています。
私は、彼らが獲物を捕まえる瞬間を観察したことがないので、しばらく飼ってみようか迷いましたが...。