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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

06/22
なぜ、科学研究にはお金がかかるのか? ③ ―新幹線しますか? 飛行機にしますか?―

今日も、東京から鹿児島に荷物を運ぶ話です。
① 歩き、②自転車、③車、④新幹線、⑤飛行機の選択肢です。
昨日は、5kgを50kgに変えただけで、①歩きと②自転車では厳しくなりましたね。

では、今日中に鹿児島に届ける必要があるとなればどうでしょうか?
ウンコサンプルを分析する時はそうですよ。「新鮮一番!」
①と②は脱落。③車も不可能とは言い切れないでしょうが、苦しくなってきましたね。

では、50kgの荷物を100個運ぶ必要がある場合はどうでしょうか?
重いですが、人数を増やし1人1個ずつ運べば、④新幹線と⑤飛行機は1回で可能ですね。
この境界線は多検体の分析が可能な機器類であるかどうかという線引きです。
もちろん十数台の車を使用すれば可能ですが、無駄でしょう。
手に届く価格の分析能力の低い機械を複数購入し、人件費を多量に使って分析している状態です。

では、この荷物を6時間以内に届けてくれとなったらどうでしょうか?
生物を使った実験では、サンプル分析のタイミングも勝負になってきます。
④の新幹線も苦しくなってしまいましたね。
この境界線は分析のスピードを表しています。
つまり、新しい研究機器を導入すれば研究の幅がドンドンと広がってくるのです。

また、①歩き、②自転車、③車は到着時間の予想が大きく狂うことがあるでしょうが、
④新幹線や⑤飛行機はある程度時間通り正確に届けられます。
新しい機械は正確性もアップしています。

得られたデータで勝負する科学技術系の研究には、
必然的に新しい研究機器が必要となってくる理由がわかっていただけましたか?
論文を審査される過程では、「筆者の使用している装置で得られた数値は精度が低いので、そのデータを別な方法で検証するように」なんて指摘された経験もあります。
勿論、良い機器類を使っていたらこんな疑いかけられません。

まだ明日も続く。

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