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LKM512
メイトー
協同乳業研究所

06/21
なぜ、科学研究にはお金がかかるのか? ② ―例え話―

研究で非常にお金がかかるものは大きく2つ、機器類と人件費です。
少なくとも、私が獲得した研究資金の1年目、2年目の使用用途も、この2つで5割以上を占めています。
人件費は誰でも理解できるでしょうから、主として機器類の話をします。

専門的研究機器の多くは数百万円から数千万円、そして数億円のものもあります。
何故そんなに高いのかは機器メーカーの人間ではないので厳密にはわかりませんが、
そんなにたくさん売れるものではないので大量生産できないですし、
そもそも極めて高度な技術が結集されてできているものです。
もちろん車と同様に、分野別に世界的なメーカー(ブランド)があり、型のグレードがあり、それは高額になればなるほど、正確で、スピーディーに、多量の検体の処理ができると考えて良いでしょう。
そして、日進月歩で進化しており、10年前の物は役に立たないということも多々あります。
もちろん機械が壊れたわけではありません。
それを使って分析する価値が減少するということです。

わかりやすい例え話を作ってみます。
東京から鹿児島に荷物を運ぶことを考えてみましょう。
選択肢として大きく5つ、①歩き、②自転車、③車、④新幹線、⑤飛行機、があります。
皆さんはどれを選択しますか?
おそらく⑤→④→③の順で選択される方が多いのではないでしょうか?
当然、早く、便利な手段を選ぶということです。
もちろん、300年前は、島津藩は江戸まで大名行列をしていたわけですから、歩きでも不可能ではありません。
お金がないなら歩きで行けば良いと思われる方もいるでしょう。
しかし、5kgの荷物を運ぶだけなら可能でしょうが、50kgの荷物になったらどうしますか?
何とか②自転車ならできるかもしれないが、①は殆どの方は無理ですね。
つまりこの乗り物が研究機器というわけです。
1サンプルをじっくり手作業で分析するのはお金はかかりませんが、限界があります。
そして乗り物(機器類)には②自転車から⑤の飛行機まで、色々なグレードがあるのです。

まだまだつづく。

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