08/19
「消化管の出口」のはなし2

ブログ250回記念 スペシャルゲスト企画
出来尾 格先生(島根大学医学部皮膚科講師)登場!


肛門は消化器科医だけでなく、皮膚科医にとっても身近な存在です。
なぜなら、皮膚科は全身の体表を担当しているため、唇・口の中・陰部・そして肛門の「体表にある粘膜」の診察もするからです。
粘膜とは、皮膚とほとんど同じものですが、表皮(薄茶色の薄皮)部分がとても薄いため下の赤い色が透けて見えます。
あと、毛がないのも皮膚との違いです。
診察の時、ほとんどの患者さんは
「汚いところですみません」
と少し恥ずかしそうに言って診察させてくれます。
一方こちらは、慣れていて平気なので、手袋をはめて淡々と診察します。

「お尻がかゆいんですが・・・」
と恥ずかしそうに言いだすおじさん、結構多いです。
わかる人にはわかりますが、肛門のかゆみがひどくなると眠れないくらいかゆいです。
しかし診察してみると、
大部分の患者さんの肛門は、健康な灰色がかった赤色のつややかな肛門です。
これは、見た目正常だけど痒みが出る「肛囲そう痒症」です。
この「肛囲そう痒症」は原因不明とされていますが、
ほとんどの人はウンチに少しだけかぶれているのだと思います。
そのため、かぶれの薬が良く効きます。
なぜか30代以上の男性に多いのは、女性は恥ずかしくて受診されないためかもしれません。
(_i_)←5/31の博士のブログ参照(お尻マーク)
http://lkm512-blog.com/2010/05/31/