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ウンチが便りをくれる?① これまでに見た「とんでもない」ウンチ

ブログ100回記念 スペシャルゲスト企画
辨野義己先生(理化学研究所知的財産戦略センター・辨野特別研究室)登場!

こんにちは。理研の辨野です。
100回記念にLKM博士からコメントを依頼されましたので、
得意のウンチの話をしたいと思います。

「便の研究をしている辨野先生にウンチを調べてもらいたい」
――最近の健康ブームにのって、
私の研究室にもマスコミの取材が頻繁に訪れるようになりました。
そこで「鼻にきた」ウンチの話をしましょう。

クール宅急便(食品と記載:中味は元食品です)で送られてきて、
厳重に包装された容器を開けたとたん、
どう形容していいかわからないほどの強烈な臭い。
研究室のみんなはのけぞり、逃げ出したほどです。
石のようにコロコロで、数層に重なり、パラパラとはがれてとれる。
しかも、そのウンチの硬いこと。なかなか崩れないのです。
今まで、日本で一番ヒトのウンチをみてきたと豪語する私でさえ、
初めて目にするウンチでした。
さらにその中身に驚かされました。
ウンチの水分含量は60%。水分が70%になると、かなりひどい便秘だといわれます。
「それが60%とは...。」
その便はたぶん、大腸壁にビターとこびりついていたのです。
その腸内細菌を調べると、
善玉菌といわれるビフィズス菌が培養できる腸内細菌のわずか0.01%以下。
悪玉菌のクロストリジウムがなんと16%もいたのです。
健康なヒトの腸内ではビフィズス菌は10~15%、
クロストリジウムは5%前後の比率で棲みついています。
この人の腸内には善玉菌がほとんどなく、
悪玉菌が超優勢の驚異的な数字で棲みついていたのです。
(明日につづく)

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辨野義己先生(理化学研究所知的財産戦略センター・辨野特別研究室)
LKM博士にとっては、腸内菌叢の解析方法を手取り足取り指導して頂いた師匠です。
お酒の方も厳しく指導されたとか。
これまでに、二人で一体何リットルのお酒を飲んできたのでしょうか?